ポーランドのワルシャワで開幕した国連気候変動枠組み会議が折り返し点を通過し、今週から閣僚級会合が開かれる。出席者はこの数日間に渡り、主要議題を巡り意見を交換した。主催国であるポーランドの国内エネルギーの石炭依存度が高く、日本の排出削減新目標が「後退」するといった不協和音により、会議の先行きに影が投じられている。アナリストは、「今回の会議は、これまでの協議内容を引き継ぎ今後について話し合う場であり、今後の議事日程の進展はそれほど期待されていない」と指摘した。新たな枠組みの構築は先行き不透明で、先進国の資金援助に関する交渉の深化も極めて困難だ。フィリピンの台風のみが、各国に損失・損害のメカニズムに関する交渉を促すとされている。国際金融報が伝えた。
国連気候変動枠組み条約のクリスティアーナ・フィゲレス事務局長は、11月15日に開かれた記者会見で、「各国は新国際枠組みに関する議論を掘り下げたが、緩和・適応・資金・技術の4大支柱内容と関連性のない草案が出されている。各国は積極的な態度を示しているが、先行きは依然として不透明だ」と語った。
開発途上国は2015年に合意予定の新国際枠組みの中で、温室効果ガス排出の過去の蓄積を重要な検討材料とし、先進国に過去の排出の責任を負わせることで、「公平だが責任を個別化する」という原則を貫くことを強調している。
日本政府の排出削減新目標の「後退」が注目を集めた。日本政府は11月15日に、2020年の二酸化炭素排出量を2005年より3.8%減少させるとしたが、これは1990年の3.1%増に相当する。日本はかつて、2020年の二酸化炭素排出量を、1990年より25%削減すると宣言していた。
排出削減から増加に変わった日本は、各国の代表者から批判された。EU代表団は同日発表した声明の中で、EUおよび28の加盟国は、日本の排出削減目標の大幅な下方修正に失望したと表明した。
同会議の前日、フィリピン中部が猛烈な台風の襲撃を受け、多数の死傷者が出た。同会議の開幕当日、フィリピン代表団のある代表者は発言の際に涙を流し、開会期間の絶食を宣言した。
強力な台風の被害は各国に対して、世界の気候変動、異常気象の減少の必要性を示した。各国がさらなる行動を講じなければ、地球温暖化が環境に対して取り戻しのつかない破壊をもたらす危険性が、今後も高まり続けることになる。ゆえに各国は損失・損害のメカニズムに関する交渉で、進展を実現する可能性がある。
また、先進国による資金援助を巡る交渉も難航が予想される。これまでの決議内容によると、先進国はグリーン気候基金の準備金として2010-2012年に300億ドルを拠出し、発展途上国による気候変動に対する積極的な対応を促すため、2013-2020年に毎年1000億ドルを拠出することになっていた。ところが現在、多くの援助が滞っている。
アナリストは、「先進国の不作為は、気候交渉全体の障壁となる。この重要な原因は世界経済の低迷で、欧米の先進国の環境・気候に対する関心が薄れている」と分析した。
「人民網日本語版」2013年11月18日
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