月探査機「嫦娥3号」の出発が間近となった。中国月探査プロジェクト首席科学者、中国科学院院士、国際宇宙航行アカデミー会員の欧陽自遠氏は21日に新華網の取材に応じた際に、「嫦娥3号の任務は、局地的な詳細な探査だ。探査範囲は北京市海淀区の面積を下回るが、現地の状況を詳細に把握し、将来的に中国の宇宙飛行士を月に送り込む基礎を築く」と説明した。欧陽氏の発言内容は下記の通り。京華時報が伝えた。
嫦娥3号は月面で宇宙・地球・月を観測する。そのうちのいくつかは、世界初の内容になる。
嫦娥3号は2つの特殊な設備を携帯する。近紫外線月面天文望遠鏡は、世界で初めて月から宇宙を観測する。極端紫外線望遠鏡・カメラは、地球のプラズマ層の密度・構造変化を観測し、地球空間の広範な環境変化を反映する。これも世界初の試みだ。
世界の月探査機は、着陸機か月面ローバーのみであるが、嫦娥3号は着陸機と月面ローバーを結びつけ、共に月探査を実施する。これもまた一つの特徴だ。
嫦娥3号は非常に重要だ。中国の無人月探査の第2ステップとして、嫦娥3号は月のある場所に着陸し、現地の状況を詳細に把握する必要がある。着陸機は着陸地点から離れることができず、月面ローバーはそれほど遠くに進めない。ゆえに探査の範囲は狭く、北京市海淀区の面積を下回る。目標は局地的な詳細な探査だ。
月面ローバーには土壌の成分、および土壌に含まれる鉱物を分析する設備が搭載されており、すべての探査データは直接地球に送られる。月面ローバーの底部にはレーダーが取り付けられており、走行中に地下の情報を把握できる。土壌は何層で出来ているか、土壌には岩石や何らかの構造が含まれていないかを調べ、地下100メートルの構造を測定できる。これも世界初の内容だ。
「人民網日本語版」2013年11月26日
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