高原=文 馮進=写真
2014年に開催が予定されているAPECは、北京市懐柔区雁栖湖の「国際会都」が会場となる。雁栖湖は北京市郊外にある観光スポットで、春と秋にヒシクイ(大雁、ガンの一種)の群れが飛来し、ここに棲むことからその名がある。2010年12月に建設が開始された「国際会都」は、雁栖湖エコ発展モデルエリアにある。このエリアは懐柔区北部の燕山のふもとにあり、北に万里の長城、西に紅螺寺があって、計画総面積は31平方㌔に及び、「国際会都」と国際雁栖小鎮という2つのブロックからなる。
APEC開催のために、国際会議・展示センター、ブティックホテル、貴賓専用の別荘12軒が新たに建設され、2013年末に営業が開始される予定だ。その際には2万人規模の会議・イベントを開催することができる。
雁栖島の中央に位置する国際会議・展示センターは「国際会都」の主要建築物で、漢・唐代の建築様式を模した外観で、1階に宴会場、2階に会議ホールがある。両翼に貴賓ホール、会議室、個室などがあって、大小さまざまな会議室が計9室、食堂が12室あり、1000人規模の会議・会食を開催することができる。宴会場の南側には野外パーティーを開くことのできる芝生もある。現在、主要建築とその外装はすでに完成している。
湖のほとりに建設された「国際会都」のシンボル的な建築物である「日出東方」は2014年3月に完成予定だ。APECの期間中、このホテルは最高の格式で各国・地域の指導者をもてなす。
また、半島の東側には1軒のブティックホテルがあり、小さな埠頭につながっている。半島の西側は道路橋を通じて外部につながっている。ヘリコプターも離着陸できる。会議開催の際には、出席者たちは水路、陸路、空路のどれでも訪れることができる。
エコロジー発展のモデルエリアとして、「国際会都」の建設には80種類以上のエコ・省エネ技術が利用されている。中でも、湖畔道路の建設は廃棄物再生の理念を十分に反映したものとなっている。不要な鉱滓(スラグ)がアスファルトに加えられて道路の敷設に利用され、省エネとなる以外にも、廃棄されたスラグによる環境汚染の削減にもなっている。
また、太陽エネルギーをはじめとするさまざまな再生可能なエネルギーが、大量に照明や生活温水を提供するために使われている。電気自動車、燃料電池自動車などの新エネルギー自動車を交通手段とし、快速充電できる充電ステーションも完備されている。インテリジェント照明コントロールシステムは節電、照明器具の寿命延長、メンテナンスコストの削減につながる。また、このホテルでは国内のホテルでは珍しい「コジェネレーション」エネルギーシステムが採用されている。このシステムは天然ガスを燃料とし、天然ガスの燃焼によって得られた高温排気ガスがまず発電に利用され、その余熱が冬の暖房、夏のクーラーに使われ、さらに生活温水の提供にも利用される。
汚水処理については、雁栖湖エコ発展モデルエリアの管理者は、「施工中も営業中も、汚水を一滴たりとも残さない」と語る。汚水処理のために、4㌔離れた懐柔汚水処理工場までの送水管が敷設されており、汚水の「ゼロ」排出を実現した。
雁栖湖に浮かぶ島の中央に、漢・唐代の建築様式を模した国際会議センターが建設されている。これが「国際会都」のメイン建築で、2014年にAPECがここで開かれる
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