シルクロード経済ベルト

 

 

漢の武帝は玉門関と陽関を設置すると同時に、河西(黄河以西、玉門関までのオアシス地帯)四郡、すなわち甘粛省酒泉、武威、張掖、そして敦煌を置いた。これから、敦煌はシルクロード上で必経の地となり、東西に往来する使節や僧侶、隊商がここで旅の疲れを取り、あるいは旅に備えた。このため、肌の色や言葉、生活習慣、宗教が異なる人々がここに集まることになった。

現在の敦煌市の市街地はそれほど大きくなく、だいたい徒歩で回れてしまうほどだが、そこに百を超えるホテルや旅館が並んでいる。この点から見る限り、敦煌の宿場としての役割はいまだ失われていないようだ。ただかつてと違うのは、訪れる大多数の人が観光客だということだ。今年8月、「国連世界観光機関(UNWTO)の第6回シルクロードツーリズム国際会議」と「第3回敦煌シルクロード国際観光フェスティバル」が開催された。ここでは、いかにこの歴史ある道を活用してシルクロード沿線国家の観光業を発展させるか、各国間の交流と協力を強めるかが各国出席者による議論の焦点となった。

9月7日、習近平国家主席がカザフスタン共和国のナザルバエフ大学で講演した際に、次のように指摘した。「何百何千年来、この古いシルクロードで、各国の人民は長く語り継がれる友好の編章を共につづってきた。2000余年の交流の歴史で証明されたように、団結・相互信頼、平等互恵、包容・相互参照、協力・ウインウインを堅持しさえすれば、異なる種族、異なる信仰、異なる文化的背景の国が平和を共有し、共に発展することが完全に可能である。これは古代シルクロードがわれわれに残した尊い教えである」。そして、「シルクロード経済ベルト」を共に築こうと提言した。 古代シルクロードは、中国と中央アジア、西アジア、ヨーロッパとの友好交流の扉を開き、東西文化交流の道筋をつけた。時代は移り、今また中国とユーラシア各国友好協力の絆として、シルクロードは新たな活力を放っている。

陽関付近にはブドウ園も見られる 

敦煌市街 
 

 

人民中国インターネット版 2013年

 
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