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莫高窟45号窟の復元模型。盛唐期を代表する洞窟の一つ | |
366年、中国北方はまさに五胡十六国の戦乱の真っ只中にあった。人々は穏やかな生活を渇望し平和を願っており、シルクロードにはインドと中原を往来する僧の姿が絶えないなど、仏教の隆盛が始まっていた。この時、楽僔という仏教僧が、西に向かう途中で鳴沙山を訪れた。その時、突然前方の九危山にまばゆい金色の光が反射し、千仏の姿が現れた。これが釈迦の霊験だと考えた楽僔は、これ以上旅するのをやめ、鳴沙山の東の壁に洞窟を掘ることにした。ここに莫高窟最初の洞窟が造られ、これ以降鳴沙山にはカンカンと崖をうがつ音が千年にわたって響き続けたのだった。 |