莫高窟の入り口からさほど遠くない場所に、石柱が静かに立ち、この地の日の出と日暮れを見守っている。これは敦煌研究院が平山郁夫氏(1930~2009年)を記念して建てたもので、石柱には平山氏が熱心に行った敦煌の文化財保護と学術研究人材のための事績が記されている。これは平山氏と敦煌の関係を記しているだけでなく、中日友好交流史上に残る物語を伝えている。
現在、敦煌は日本との間で技術交流、人材交流を密接に行っている。文化財保護の面では、敦煌と日本の公益財団法人・国際高等研究所、独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所、東京芸術大学、大阪大学などが長期にわたる協力を行っている。協力の内容は多岐にわたり、敦煌莫高窟の地震リスク評価、洞窟環境研究、壁画保存状況、顔料と技法の分析などが行われてきた。莫高窟の解説スタッフも日本に派遣され、1年から2年にわたって日本語を学んでいる。このほか、英国や米国などとも協力し、莫高窟という人類共通の文化遺産を共同研究している。 |
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平山郁夫氏(1930~2009) |
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平山郁夫氏を記念する石柱 | |