来年の中国の経済政策、多くの目標のバランスを追求

 

中央経済活動会議の閉幕を前に、記者の取材を受けたエコノミストは来年の経済政策は多くの目標のバランスを追求しなければならないと予想する。エコノミストは、多くの目標のバランスを追求するには、一方で政策の連続性と安定性を維持し、社会に構造調整を進める確かなシグナルを出し、市場の自己調整に必要な余地を十分に残す必要がある。その一方で、重点分野の市場化改革を全面的に推進し、公平に競争できる市場環境をつくり、市場が資源配分で決定的な役割を担う確かな基礎を固める必要がある。

多くの目標のバランスを追求することは、2014年の経済政策に新たな要求を提示した。

まずマクロ政策では引き続き積極的な財政政策と安定した金融政策を実施するものの、重点を供給側の管理に傾斜する必要がある。中国社会科学院数量経済研究所の李雪松副所長は「2014年の積極的な財政政策は短期的効果も中長期的効果も重視し、安定成長と将来的な経済成長点の育成に配慮する。投資方向の最適化を通じて経済構造調整を進め、経済体制改革を促し、より安定し、バランスのある成長を実現する」と語る。

李氏は4つの具体策を提案した。(1)構造的減税政策を継続して実体経済、特に零細企業の発展を支援する(2)財政赤字率の基本的安定を維持し、債務構造を最適化する(3)増量資金を有効に活用し、財政資金の使用効率を高める(4)地方政府債務を合理的にレベルに抑え、地方の債務リスクを有効にコントロールする――。

国家発展改革委員会総合司の担当者は、2014年は経済構造を更に最適化し、生産能力過剰問題の解決につながる体制メカニズムが整えられると指摘する。ただ中国社会科学院の李楊副院長は「生産能力過剰を解決する政策的手段は、改革を通じて、主に供給側から探す必要がある。新たな投資需要の創造によって過剰な生産能力をなくす従来のやり方は捨て、政府の干渉を減らし、企業や市場の役割を十分に発揮することで最終的には生産能力の盲目的な拡大を抑制すべきだ」と指摘する。

中国社会科学院経済研究所の張平副所長は、2014年の中国は財政・税制改革、金融改革、国有企業改革、行政体制改革、価格改革を全面的に推し進めるとの見通しを示す。

彼は「経済参考報」の記者に、「財政・税制改革方面では、国と地方の貸借対照表(資産負債表)の整備を引き続き行い、投資主体への監視を強化するとともに、中央と地方の財政支出比率を研究し、資源税改革及び消費税徴収範囲を拡大する。金融改革方面では、民間資本による銀行設立のハードルを下げ、政府は政策金融機関を新設し、預金保険制度の構築を加速し、為替相場変動率を拡大し、自由貿易区の試験事業を加速する。国有企業改革方面では、国有資産監督管理委員会(国資委)の役割を徐々に変化させ、従来は国有企業の貸借対照表をすべて管理していたが所有者権益の一部だけ管理するようにし、国資委の業務を資本利得に集中させる。行政改革方面では、簡政放権(行政機構簡素化と権限委譲)をさらに強化する。価格改革方面では、公共財価格改革の範囲を拡大する」との見通しを示す。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年12月13日

 

 
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