中国制度改革の恩恵を真っ先に受ける上海自由貿易区

上海自由貿易区の設立は、中国の2013年の最も人々を奮起させる改革措置の一つで、投資、貿易、金融などの分野における新政策の試行によって、上海自由貿易区が真っ先に中国の制度革新の恩恵を受けている。11月末までに工商部門が手続きを終えた上海自由貿易区の新設企業は1733社。これらの企業を引き付けたのは優遇政策ではなく、制度改革である。

◇制度革新:「我々が望むのは政策ではなく、改革」

「自由貿易区は我々にこうした可能性を提供した。我々は自由貿易区の新政策を利用して新たな突破口を求め、自由貿易区の片足は国内、片足は国外という政策的メリットを利用して資金と大口商品を国内外でより良く流通させたい」。泛亜有色金属取引所の張子諾副総裁は「経済参考報」の記者にこう語る。

交銀金融租賃有限責任公司の陳敏董事長兼総裁は「わが社は自由貿易区に子会社を設立し、主に航空、海運リース業務を専門に発展させていく」とし、「航空、海運市場はかなり国際化しているため、国際化を視野に入れて運営し、国際市場における競争や資源配分に参加しなければならない。そのため自由貿易区の政策のモデルケースが発動機船業務の国際化により多くのメリットをもたらすだろう」と指摘する。

「これだけ多くの企業が自由貿易区に来てもひとつも不思議ではない。どの企業の制度の革新を強く望んでいるからだ」と張副総裁は語る。彼女はさらに、現在の自由貿易区ブームを当時の米国西部のゴールドラッシュに例え、「もちろん自由貿易区のゴールドは別のもの。それがつまり制度改革だ」と話す。

◇ネガティブリスト:「小」範囲の試験、「大」面積の意義

現在実施されているポジティブリスト管理の深刻な弊害は、行政の介入が多く、不正収入を得る多くの余地を残していることだ。ネガティブリストが正式に発表されれば、これまでの「ポジティブリスト」とはまったく異なる新たな投資管理体制が中国で始まる。

国務院が作成した中国(上海)自由貿易試験区総体方案の要求に基づき、自由貿易区の建設は主に投資管理制度、貿易監督管理制度、金融制度、総合監督管理制度の4つの制度革新が最優先で行われる。なかでも「ネガティブリスト」を柱とする投資管理方式の革新は自由貿易区の制度革新の最大の目玉となるに違いない。つまりネガティブリストの作成を土台とし、ネガティブリスト以外の領域に対し、外商投資プロジェクトを認可制から届出制に改め、外商投資企業の契約・定款の審査・批准を届出管理に改める。

「ネガティブリスト方式は中国にまったく新しい管理方式と法的思考をもたらすだろう。これこそまさに上海自由貿易区という『小』範囲の試験を借りた『大』面積の意義がある」。復旦大学法学院の龚柏華教授は「中国は長年、法律で認められていなければ禁止するという方式を採用してきたが、実際には法律上『沈黙』の部分まで禁止部分或いは地位の不確定な部分に組み込んできた。しかし今回の法的論理の逆転によって、どれが『禁止(或いは例外)』に属するかを政府は事前に綿密に考え、事前に公に知らせなければならない。これは政府が『自由裁量権』を乱用する余地をある程度制約し、客観的に権力のレントシーキングを制限し、企業の業務の効率と市場獲得の機会を増やすことができる」と指摘する。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年12月18日

 

 
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