文=銭海澎
中国は世界においても隣国が最も多い国で、中国の国内発展は安定した周辺環境が不可欠である。したがって中国は、「隣国に善意をもって接し、隣国を仲間とする」周辺外交方針を貫いている。しかし、釣魚島、南中国海などの問題では、中国は領土主権と海洋権益をしっかり維持し、紛争を適切に処理、解決するよう、周辺国との対話と交渉を進めている。
2013年、中国の指導者は周辺諸国において、一連の重要な外交活動を展開した。ロシアからインドまで、中央アジアから東南アジアまでを集中訪問する一方で、各国からの訪問客を喜んで迎え入れた。4月、ボアオ(博鰲)アジア・フォーラムに参加する12カ国の指導者の中で七人が周辺国からの来訪者であり、韓国の朴槿恵(パククネ)大統領が六月に訪中、10月には、ロシア、インド、モンゴルの3カ国の首相を同日に北京に招き、首脳会談を行った。とりわけ、中国・インド両国首脳の60年来の相互訪問を実現し、特別意義のあるものとなった。
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10月12日、李克強総理(前列右2人目)とタイのインラック首相(前列左2人目)がタイで行われた中国高速鉄道展の開幕式に出席した。李総理のタイ訪問中、中国とタイは『鉄道協力深化に関する両国間の覚書』を交わした(写真提供・新華社) |
外遊期間中、中国の指導者は一連の戦略構想を提出した。例えば、「シルクロード経済ベルト地帯」、21世紀の「海のシルクロード」建設などは、周辺国との密接な往来の歴史を受け継ぐ中国外交の新思考を表現したものである。地域の相互連絡・意思疎通を大いに促進し、「アジアインフラ投資銀行」の設立を提唱し、中国、インド、バングラデシュ、ミャンマーの「経済回廊」の建設を促進する。これらの新構想は、効果的に地域の経済一体化と貿易や投資の利便化を促進し、それぞれ違う方向から中国の周辺環境を整備することになるだろう。
人民中国インターネット版 2013年12月 |