上海自由貿易区が意味すること

 

文=陳言

 

国家統計局が10月18日に発表したデータでは、今年第3四半期の中国国内生産総額は前年同期比7.8%増だった。第1~第3四半期の国内総生産額は38兆6762億元で、前年同期比7.7%増だった。写真は上海自貿区内の外高橋保税区コンテナ埠頭 (写真・新華社)

 

9月29日に、中国(上海)自由貿易試験区が正式に設立された。これは、1979年に設立した深圳経済特別区と同等の重要な意味があると、「人民ネット」は当日、コメントを掲載した。

上海自由貿易区では、「ネガティブリスト管理」という管理措置を取っている。その管理体制のもとでは、企業に「何が許されないか」が規定され、リストによって示される。それは中国政府の「権限委譲」という改革思想の現れである。

本稿の冒頭に紹介した事例のように、中国の各レベルの政府部門は企業に対する干渉が多すぎ、企業の経営活力も制限される。上海のような近代的な大都市では、その欠陥がますます明らかになっている。経済の発展は政府が自ら行動することではなく、政府はただ優れた企業を集め、十分に自由に行動してもらい、公平かつ自由な競争ルールを守らせ、提供すべきサービスを提供するだけでよい。言い換えれば、政府は選手から退いて、審判に徹するべきなのである。

自由貿易区では、政府の権限委譲をはじめとする改革がこれからさらに深まるだろう。もともと多くの規制があったイノベーション型の金融サービス、ビジネスサービス、文化レクリエーション、教育、医薬・医療品、看護など多くの業界は、今後発展チャンスに恵まれるはずだ。

今世紀初め、WTO加盟をきっかけに、中国の製造業は対外開放を始め、激烈な市場競争で競争力の急速な向上を成し遂げた。WTOが物的貿易を重んじたとするなら、自由貿易区ではサービス貿易に重点を置いており、サービス業はチャンスと共にチャレンジを迎え入れるようになった。

また、上海の他、天津、広東などの地域でも試みられようとしている。上海浦東を除く浙江省の舟山、広州市の南沙などの国家レベルの開発区も、自由貿易区の構想を打ち出している。上海での実験はやがてその他の都市にも波及するだろうと、多くの市場関係者はみている。

 

人民中国インターネット版 2013年12月

 
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