外資系企業に対する規制緩和

 

文=陳言

中国国家工商行政管理総局が7月16日に発表した全国市場主体発展報告によると、今年6月末までに在中国の外資系投資企業は44万900社で、前年同期比0.93%増、登録資本金は12兆900万元で、6.99%増であった。写真は上海の街角にある外資系企業の看板のそばを通り過ぎる人々(写真・新華社)

 

外資系企業は中国の経済成長に大きく寄与している。中国の改革は、外資系企業に対する資本規制が緩和される方向に動いている。昨年の年末から、中国では外資系企業の海外資金運用試験プログラムが導入され、一部のグローバル企業の短期取引における国内外の資金移動を認め、他国への資金移動の手続きを簡略化した。

「このプログラムにより、中国で大きな事業を持つ企業は年間数百万㌦も節約でき、北京と上海を主要な国際金融拠点に育て上げる中国の取り組みも強化することができる」と銀行関係者は指摘する。

通常の法規制に従った場合、中国に余剰資金を持つグローバル企業は、他国への資金移動には煩雑な行政手続きをとる必要があった。時間のかかるこの過程と制限のある借入・貸出枠のせいで、他国の一時的な資金ニーズを満たすために、中国の余剰資金を使うことはほぼ不可能だった。例えば、資金不足に陥っているグローバル企業の在ベトナム事業は、中国に遊休資金があるにもかかわらず、ベトナム現地の金利で、現地で資金を借り入れなければならなかった。

新しい海外資金運用試験プログラムは、中国の銀行でいわゆるスイープ口座の設立を認めている。これにより、企業は国内外の口座の余剰資金を単一口座に置いておくことが可能となった。この資金プールは短期の社内融資形式で他の会社の口座に再配分したり、投資に回したりすることができる。

この試験プログラムは中国にとって前例のないものだが、その本質は、より自由化された経済国において一般的に用いられる資金運用手段を模倣したものである。1990年代末のアジア金融危機の原因となった為替投機を警戒し、中国政府は中国の資金流出入を依然として厳しく管理しており、グローバル企業は中国以外の国からの借り入れに頼らざるを得なかった。中国は多くの企業にとってアジアの全体収入の大半を占めることから、資本規制で閉じ込められていた資金のために、キャッシュフローの効果的な管理が阻害されていた。したがって、このような資金運用試験プログラムは、中国事業の展開に関係する余剰資金コストを抑える方向に向かう、優れた一歩と言えよう。

 

人民中国インターネット版 2013年12月

 
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