嫦娥1号は、中国初の月周回衛星である。高度約200キロメートルのところを1年間にわたって周回し、科学的な探査を行った。探査機の運搬ロケットには長征3A型が使用され、2007年10月24日18時5分に四川省の西昌衛星発射センターから打ち上げられた。衛星の総重量は2350 kg。大きさは2000mm×1720mm×2200mm。太陽電池パネルを展開すると全長18m。嫦娥一号は中国嫦娥計画の最初の段階のプロジェクトである。
嫦娥一号の4つの主要探査:
1、月面の3次元映像の取得
CCD立体カメラとレーザ高度計を用いて月全体の立体地図を制作する。月の地質構造の変化の研究に役に立つ。将来月着陸地点の選択のために有用な参考データとなる。
2、月面に存在する元素の分布の調査(アルミニウム、カルシウムなどを含めた元素14種類)。また画像分光器を利用して造岩鉱物(カンラン石、輝石、斜長石など)の月面における量と分布の調査。
3、月の表土(レゴリス)の厚さの調査(ヘリウム3存在量の確認)
4、月と地球の間の環境の調査(太陽高エネルギー粒子測定器と太陽風粒子測定器を利用して太陽風のデータの記録、また太陽活動が月と地球の間の環境に与える影響を観測)
4つの主要探査以外に
1、月面の地形や構造の把握
2、クレーターの密度や分布、大きさや形などの調査
3、月の進化における初期段階の調査、及び月の構造の進化の調査
後期
1、月到達までの道のりで軌道変更の回数を減らすことができたため、嫦娥一号は1年余りの運用に十分な燃料を節約できた。計画運用期間が終わった時、さらに高精度な月面画像の獲得のため、衛星の軌道を100kmに調整できるかもしれない。また嫦娥一号を月にぶつける計画もある。
2、2009年3月1日、嫦娥1号は計画の最終段階として15時36分より減速を開始、16時13分に月面の豊かの海に落下した。
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