中国初の月面ローバーの構造

設計上の質量は140kgで、移動、構造・機構、測位コントロール、総合電子、電源、熱制御、観測・制御データ送信、ペイロードの計8つのサブシステムによって構成されている。中国航天科技集団公司宇航部の趙小津部長は、「月面ローバーは車両ではなく、劣悪な環境も対応し科学調査を実施できる、タイヤつきの宇宙機であり、小型化・低エネルギー消費・高度集約のロボットだ」と説明した。

 同月面ローバーは太陽エネルギーを使用し、月面の真空状態、強い放射線、大幅な温度差などの極端な環境に耐えられる。

 すでに公開されている模型図を見ると、同月面ローバーの主体は長方形の箱型で、底部に6つのタイヤ状の移動装置が取り付けられており、上部の二枚のソーラーパネルを翼のように開くことができる。後部には多くのアンテナがあり、右後ろ側には測位システム搭載のカメラとパノラマカメラがある。胴体部分に搭載されている「兵器」は最も多く、赤外線撮像分光装置、障害物回避カメラ、ロボットアーム、レーダー格子デバイスなどが含まれる。

 趙部長は、「月の軌道に到達した後、月面ローバーは着陸機に背負われ、推力偏向液体ロケット発射機によってコントロールされる。光学・マイクロ波などの各種センサーによる測量により、月面から100メートルの高度でホバリング・並進飛行し、岩石やクレーターなどの障害物を避けつつ、最良の着陸地点を選びゆっくりと月面着陸する」と語った。

 着陸機が月面でソフトランディングを成功させると、まず月面ローバーの充電と初期化を実施する。月面ローバーはその後、地上との間に通信網を構築し、ロックを解除され移動モジュールに移される。それから着陸機は乗り換えモジュールを月面に移動する。月面ローバーは乗り換えモジュールを離れ、3カ月間の月探査を開始する。

 この過程において、月面ローバーは最良ルート、低燃費、少誤差のモードを採用し、能動的な減速、接近の調整、ホバリングによる障害物の回避などの段階を経て、安全着陸を実現する。

 

 
人民中国インタ-ネット版に掲載された記事・写真の無断転載を禁じます。
本社:中国北京西城区百万荘大街24号  TEL: (010) 8837-3057(日本語) 6831-3990(中国語) FAX: (010)6831-3850