日本国首相の安倍晋三は26日、第2次大戦のA級戦犯を祀る靖国神社を公然と参拝し、軍国主義の亡霊を公然と呼び戻した。これは間違いなく歴史の正義と良識の譲れぬ一線に対する挑戦である。「安倍」は一人だが、その背後にあるのは軍国主義勢力であり、歴史の逆流である。彼およびその背後の勢力と逆流を抑え込まないのは、すなわち黙認である。(文:林文・国際問題専門家。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
近年、日本軍国主義勢力は瓶の中の悪魔を解き放ったような様相を呈している。かつて第2次大戦後の日本政府には大物から小物まで各種戦犯がはびこっていた。A級戦犯被疑者の岸信介にいたっては最大政党・自民党を結成したうえ、首相に就任し、対中強硬発言を繰り返した。この人物が安倍晋三の祖父である。岸信介の有害な遺風の影響を受け、安倍は自民党「最右翼」の政治屋となった。第2次政権発足後の1年間、平和憲法改正、慰安婦、「侵略定義未定論」、靖国参拝など敏感な問題で、安倍はアジア諸国の譲れぬ一線への挑戦を繰り返した。「安倍現象」は、日本の右傾化と軍国主義化の趨勢には歴史的背景と現実的計画があり、短期間では変化しがたいことを物語っている。
安倍ら右翼政治屋は軍国主義の道を、国民の士気を高めるための、溺れる者のつかむ藁と見なしている。日本軍国主義者は強がるのに慣れていると同時に、戦略面の感覚は極めて劣り、天性から貪婪であり、際限なく欲深く、自らの能力に対する客観的認識を欠く。このため彼らには、強烈な博打心理と冒険主義的傾向がある。だが欲を増すほど対戦相手が増えるのは必至であり、最終的な結末は徹底的に叩かれて元の形に戻されるだけである。
まさにいわゆる「無知な者は怖いもの知らず」である。今日の日本は四方に敵を作り、地政学的環境が劣悪なのに、しきりに自ら挑発をしている。これは日本の新世代の軍国主義者が依然愚かで無鉄砲であることを示すのみだ。そして日本軍国主義の危険性もここにある。日本の現政府は侵略戦争を発動したことを認めず、現行の国際秩序への挑戦さらには転覆を企てており、日本はアジア太平洋の安定を脅かす災いの源となりつつある。
中国は人口が多く領土面積の広大な地理的大国であり、核兵器を保有する核大国でもあり、さらに経済的に急速に台頭する工業化国でもある。一方日本は戦略的行動の余地に乏しく、地政学的環境が明治維新以来最悪の時期にあると言える。また、中国は代表的な正義の勢力であり、正義であるがゆえに支持する国が多く、プラスのエネルギーを結集して国際統一戦線を構築することが容易にできる。一方日本は戦後秩序を覆し、ポツダム宣言やカイロ宣言といった国際法の基本文書を否認しようとしており、正義に背くがゆえに支持する国も少なく、容易に孤立する。
すでに日本軍国主義勢力は、アジア近隣国と国際社会の強い注視と警戒を招いた。同盟国の米国でさえ、周辺関係の処理における日本の失敗に失望を感じている。これは日本の右傾化が支持されないことを物語っている。アジア太平洋地域の平和の力の成長は、戦争の力の成長を明らかに上回る。
「およそ反動的なものは、叩かなければ倒れない」(訳者注:毛沢東主席の言葉)。安倍が短期間で転向することはありえず、日本軍国主義勢力が自ら負けを認めることはなおさらにない。したがって安倍と日本軍国主義勢力に対しては、「幻想を捨てて、闘争に備え」(同上)、持久戦の準備を整えるほかないのである。
「人民網日本語版」2013年12月29日
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