靖国参拝、有識者たちの声

 

日本の安倍晋三首相が26日、靖国神社を参拝したことを受け、中国の主要メディアは中国や韓国の有識者たちの声を掲載しました。『新京報』『中国日報』、鳳凰網の報道をピックアップしてご紹介します。

■中国社会科学院日本研究所・高洪副所長:「日本が危険な方向へ滑っていく」

 これまで日本の学者からも繰り返し指摘されてきたように、靖国神社は日本政府が起こした戦争、とりわけ対外侵略戦争で戦没した人のみを祀る場所で、日本の伝統的な神道には当たりません。安倍氏は「個人的な宗教信仰」や「民族の伝統文化」などを口実に靖国神社を参拝しましたが、これは日本文化に対して無知でなければ、表だっては言えない政治的意図があるからだと思わざるをえません。

 このような逆行は歴史の正義と人類の英知に対する挑発で、中日や中韓などの二国間関係を甚だしく後戻りさせるものです。国際社会は、このような危険な方向へと滑っていく日本を速やかにくい止めることができなければ、日本が引き起こす衝突、ひいては戦争に再び向き合う恐れがあるでしょう。

■清華大学現代国際関係研究院・劉江永副院長:「日中、日韓関係に由々しい影響」

 今回は異例の参拝でした。そもそも、日本はこれまでこのようなタイミングで大規模または定期参拝を行う習慣はありませんでした。

 安倍氏が靖国神社で祀られているいわゆる「英霊」に一年の歩みを報告するというのは、その歴史観や戦争観が甚だしく間違っていることを表しており、このような考えで政治を運営するのは危険なことだと言えます。

 今回の参拝は、安倍氏が今後の政権運営において、右寄りの道を歩み続けていくことを意味し、今後の日中関係、日韓関係の将来には由々しいマイナス影響を及ぼすことになるでしょう。

■外交学院国際関係研究所・周永生教授:「憲法改正が本当の狙い」

 安倍氏の参拝は、突然でしたが意外なことではなく、その本性がそうさせたものです。日本の右翼勢力の支持を得た安倍氏は、これまでずっと「靖国コンプレックス」がありました。

 安倍氏の靖国神社参拝は、日本の右傾化をより危険な境地に推し進めました。安倍氏は、「侵略の定義はまだ定まっていない」と述べましたが、それは侵略戦争を懐かしむものであり、日本が中国や韓国に対して起こした戦争の罪を曖昧なものにしようとするものです。

 安倍氏が参拝後に発表した談話は、自分のために弁解したものにすぎません。何よりも、右翼の有権者の支持を得て憲法改正を推し進めることこそ本来の狙いではないでしょうか。

■中国社会科学院日本研究所・楊伯江研究員:日本の戦略的転向に警戒すべき

 東アジア、アジア太平洋地域はこれまで平和が保たれてきましたが、その前提にあるのは日本の平和的な発展、言い換えれば日本が平和憲法を受け入れていたからです。

 しかし、いま日本では戦略的な方向転向が起きています。政治が右寄りになり、安全保障や軍備に対する投入を拡大することで、域内のパワーバランスを変え、この地域の情勢と将来に不確定要素を付け加えました。

■韓国の民主党議員・朴洙賢(パク・スヒョン) 氏:独首相の歴史観と誠意に学べ

 日本に対して、ブラント元独首相の歴史観と謝罪の誠意を学んでほしいと思います。

 1970年、ポーランド人の前で跪いたのは1人のドイツ人でした。それにより、ドイツ全国民の存在感が高まりました。2013年、安倍晋三氏は首相の名義で靖国神社を公然と参拝しました。歴史はこれについて、「これにより一人の存在感は高まったが、その代り日本の全国民が跪くことになる」と記述していくことでしょう。

 

中国国際放送局日本語部より 2013年12月28日

 

 
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