【新華社東京12月31日】程永華・駐日中国大使は30日に日本の『毎日新聞』に「『不戦の誓い』場所が違う」をテーマとする署名の文章を発表し、日本の安倍晋三首相の靖国神社参拝の行為を厳しく批判した。
文章は次のように指摘した。日本を代表する政府の指導者が第二次世界大戦のA級戦犯も合祀されている靖国神社を参拝することは、日本政府の過去の戦争に対する認識と姿勢、戦後の中日関係の回復と発展の政治基盤、広範な被害国人民の感情にかかわるものであり、日本の進む方向にかかわるものである。これ自体が政治、外交問題だ。
中国側は一貫して日本の軍国主義者と日本人民を区別にし、戦犯と一般兵士を区別にして考えている。日本軍国主義が発動した戦争で中国人民は甚大な災難に遭い、日本人民もその害を深く受け、あの戦争の責任は一握りの軍国主義者が負うべきだと考えている。ポツダム宣言と極東軍事法廷の裁判を受け入れたことが日本の戦後の再生の前提であり、日本政府は約束を守り、侵略戦争の性格とA級戦犯の戦争責任問題に対する明確な責任ある姿勢をとるべきだ。我々は一般市民が自らの親族を弔うことに異議はないが、日本の指導者の参拝は侵略戦争の性格と責任に対する認識にかかわるもので、中国は絶対に受け入れることはできない。
日本に自らの死生観、宗教観があるのはいいが、それを日本の指導者がA級戦犯を含むいわゆる「英霊」を参拝する理由にすることはできない。A級戦犯も死ねば、尊崇に値する「英霊」になるというのだろうか。生前の犯罪行為と戦争責任も帳消しになるのだろうか。人はみな最低限の善悪、是非の観念があり、これは宗教、文化とは関係がない。我々はドイツの政治家が自らの死生観、宗教観を理由に、ヒトラーをはじめとする戦争狂が死をもって罪をあがなったからと墓を建て、参拝したということを聞いたことがない。
安倍首相は参拝後の談話で、過去への反省の上に立って「不戦の誓い」を堅持していく決意を新たにしたと述べた。しかし、靖国神社での「不戦の誓い」というのは場所を間違えており、世界の良識ある人に強い反感と疑念を抱かせた。靖国神社は戦前、日本軍国主義の対外侵略の精神的な支柱であり、現在もA級戦犯をまつっているだけでなく、侵略戦争を躍起になって美化し、歪曲し、現在の国際世論とは全く相いれない間違った歴史観を宣揚している。その中の「遊就館」は典型だ。日本の指導者がこうした場所で「英霊」を参拝し、侵略戦争を発動した当時の元凶に対し、「平和」「不戦」を言っても、被害国の人民は受け入れられないし、国際社会も信じないだろう。これは平和に対する冒とくと言わざるを得ない。
また、安倍首相は中国、韓国の人々の気持ちを傷つけるつもりはないと強調し、敬意を持って友好関係を築いていきたいと願い、中国の指導者に直接説明する機会を得ることを希望した。だが、侵略戦争を美化する靖国神社を参拝したことで、国際社会と中国の民衆が見たものは当時の加害者に対する「敬意」と「尊崇」であり、想起したものは日本軍国主義が発動した侵略戦争によって中国人民とアジアの隣国にもたらされた甚大な災難だ。歴史をかがみとしなければ未来を志向できず、中日関係も正しい発展の方向を堅持することはできない。
日本の指導者が靖国神社を参拝することは侵略戦争に対する日本政府の認識と中日関係の政治基盤、また日本とアジアの隣国、国際社会の関係の政治基盤にかかわるもので、日本の内政若しくは一個人の問題では決してない。我々は日本の為政者が問題の本質を認識したうえで、日本国内の平和勢力の声に一層耳を傾け、アジアの隣国と国際社会の正義の声を重視し、歴史の教訓を深くくみ取り、平和的発展を真に堅持し、隣国と真に平和共存することを希望する。
新華社より 2013年12月31日
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