年末年始に日本国首相の安倍晋三は国際社会と対立する道を突き進んだ。(人民日報「鐘声」国際論評)
安倍はまず靖国神社を公然と参拝して「かつての帝国の夢」を公にした。続いて、年頭所感で「安倍の夢」を表明。「『強い日本』を取り戻す戦いは、始まったばかり」「日本の『新しい国づくり』に向けて、大きな一歩を踏み出すべき時だ」と主張した。1月1日には総務大臣の新藤義孝が靖国神社を参拝した。日本メディアによると靖国参拝後、安倍は南太平洋の島国を歴訪し、第2次大戦時に現地で死んだ日本軍を祀ることを決定した。
安倍が首相に返り咲いて以来、日本はアジア、さらには世界のトラブルメーカーとなった。再三にわたり侵略定義未定論を喧伝し、慰安婦や南京大虐殺といった罪悪の歴史を否認した。「特定秘密保護法案」を強硬可決し、「安保の3本の矢」を放ち、国防費を増加し、軍備を拡充した。「中国脅威論」をいわれなく散布し、「離島奪還演習」を派手に演じた……就任から1年間の安倍の一連の傲慢な挙動は岸信介など上の世代の右翼政治屋と比べても勝るとも劣らない。日本の政治評論家、板垣英憲氏がかつて予言したように、政権に復帰した安倍は思想傾向上、通常の「右傾」ではなく、極めて「右傾」したのである。
安倍のする事なす事が国際社会の深刻な不安と強い憤りを招いているが、安倍は終始「どうぞご自由に」の姿勢を示し、国際社会公認の正しい道理と正義をないがしろにしている。安倍にとっては、現在行っていることは、まだ始まりに過ぎないのだ。
何が安倍内閣に国際社会の強大な圧力を無視して悪の道を歩む匹夫の勇を与えたのか?その答えは、日本の現在の不健全な政治状況から切り離せない。
冷戦後、政治大国の夢と民族主義感情に刺激される中、日本政治は日増しに右傾化を強め、保守勢力が国家政治システムにおいて発言力を増した。その核心的な表れが侵略を美化する言動の公然化、拡大化、組織化であり、平和憲法を打破して漸進的に自前の武力を発展させる意図を次第に顕にしている。安倍は典型的な右翼政治屋として、いわゆる日本の歴史の誇りを取り戻すことを己の任としており、歴史問題で白黒を逆さまにすることを辞さない、日本保守勢力の「集大成者」だ。右傾保守勢力はすでに日本政界で政策決定の主導権を握っている。
安倍の選択したこの右傾路線は日本国内の右派政治屋、右傾知識人に大いに迎合しており、右翼の行動への牽制はどんどん弱まり、右翼団体はどんどん強硬になり、社会全体が右傾的雰囲気を濃厚にしている。
安倍内閣の遂行する政策には日本社会全体の右傾化という背景があり、その政策が日本社会の右傾化をさらに激化させてもいる。両者間の相互推進作用に警戒しなければならない。
安倍の拙劣な言動は一人の政治屋の常軌を逸したパフォーマンスに止まらず、一国が発展の方向を変え、戦後国際秩序に挑戦し、軍事大国への道を再び歩む着実な一歩なのであり、その全てがアジアさらには世界の平和と安定に打撃を与える。
国際社会はこれに対して十分明晰な認識を保っている。連日、世界の多くの国々が声を揃えて、時代の潮流に逆行する安倍の勝手な言動を強く非難している。米国が安倍の靖国参拝に何度も失望を表明し、ヘーゲル米国防長官にいたっては日本の小野寺五典防衛相との電話会談を取り消したことに人々は注意を払っている。
日本に冷静な意識を取り戻させ、戦後の平和的発展の道に立ち返らせることは、国際社会にとって重大な共通の利益であり責任だ。強大な外圧なしに、意識がもうろうとした安倍が現実感を取り戻すことは不可能であり、でたらめを止めることもあり得ない。
「人民網日本語版」2014年1月3日
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