課外活動の場となる小学校

 

    

子どもたちは自分で作った模型飛行機で、たびたび北京市の模型飛行機コンテストに参加している 

教師と子どもたちはいっしょに模型飛行機に夢を乗せて飛ばす 

「楽しかったです」

帽児センターで子どもたちは発想力や創造力を十分に発揮している。布切れの色を自分で選び、ポリマークレイ(樹脂粘土)に好きな図案を描き、ビーズをお気に入りの形につなぐことができる。東城区が70万元をかけて20台のアップル社製パソコンを設置した教室で、子どもたちはグラフィック・タブレットを使って作画に挑戦し、漫画の登場人物の髪型や表情を描いて楽しんでいる。

園芸用の温室では、子どもたちが薬草や多肉植物などの栽培を体験しており、記録用の機械が設置されており成長が測定できる。植物の成長に時間がかかるので、一般的には子どもたちが植えた植物は次の子どもが持ち帰る。子どもたちは植物を育てる過程で多くの漢方薬についての知識を身につけている。和平里第一小学校の子どもたちは収穫したカワミドリで料理イベントを開催し、天ぷらや餃子などさまざまな食べ物を作った。

帽児センターの科目には「生活英語」もある。書物に頼る受験教育と違って、生活のシーンを設定して子どもたちが英語を学ぶ楽しさを見つけることを目指している。例えば、ナイフとフォークの使い方を通じて英語を学んでいるが、そこでは先生方が安いバナナを用意して高いビーフに見立てて指導しており、子どもたちはバナナを食べながら実用的な英語を習得している。

「今日は帽児センターでの最後の授業でした。私たちはイチゴと紙パルプ絵を完成させましたが、とても楽しかったです」と、センターに近い黒芝麻胡同小学校から来た呉暁玉くんはメッセージ帳に感想を残した。センターのメッセージ帳には、子どもたちの喜びがあふれている。山のような宿題や塾での勉強に追われる小中学生にとって、さまざまな実践活動は生活をリフレッシュさせるアクセントにもなっている。

子どもたちが作ったさまざまな布小物  子どもたちによる美術作品 

中国西部と手をつなごう

2013年11月5日、中国西南部にある雲南省保山市騰沖県の小学校クラス担任の先生17人が帽児センターにやって来た。先生方の中には初めて北京に来たという人も多いが、北京で授業に関するノウハウを学び、実施可能な科目を自分のクラスで活用できればと考えている。

先生方は自らシルクフラワー、布小物、「紙パルプ絵」などを体験した。騰沖県民族完全小学校で5年生のクラスを担任する張先生は布小物教室を訪れ、すぐに電動ミシンに引き付けられた。授業中の北池子小学校の子どもたちが、張先生に電動ミシンの使い方を教えてくれた。帽児センターでの体験は、張先生に多くの示唆を与えたようだ。「騰沖県は比較的立ち後れた西部地域で、高級なミシンはありませんが、布の切れ端は手に入ります。それでさまざまな小物を作れば、女の子だけでなく、男の子も落ち着いて座ってくれると思います。騰沖には美しい大自然がありますので、木の葉など小物の手作りに使えるものが多数あります」

東城区の西部教育支援プロジェクトの一つとして、帽児センターの教師が毎年騰沖市に派遣されている。先生方は芸術関係の授業と手作りの授業を山間地域の子どもたちに持っていき、彼らの課外活動を充実させることに取り組んでいる。交流を通じて、西部地区の子どもたちも大都市の子どもたちと同じように身近な材料を利用して美しさの発見、創造を体験し、同じように楽しさを感じることができるようになった。

 

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