日本国首相の安倍晋三が頑として靖国神社を参拝したことは、実質的に東京裁判の結果を覆し、日本軍国主義の対外侵略戦争と植民地支配の歴史を美化しようとするものであり、人類の良識に対するはばかることなき蹂躙、公理と正義に対する身の程知らずの挑戦であり、世界反ファシズム戦争の成果の否定、第2次世界大戦後の国際秩序への挑戦である。(人民日報「鐘声」国際論評)
靖国神社は日本軍国主義の対外侵略戦争発動の精神的な道具と象徴であり、A級戦犯14人を祀っている。これら戦犯の両手は侵略された国の人々の鮮血にまみれている。これには南京大虐殺を引き起こした松井石根、マニラ大虐殺を引き起こした武藤章、さらに真珠湾奇襲命令に署名した永野修身、および戦時内閣首相の東条英機が含まれる。人を殺しても眉一つ動かさぬこうした悪魔に安倍がひれ伏して礼拝を捧げることは、人類社会の普遍的価値観に対する野蛮な反抗に他ならない。
20世紀の人類社会は戦争の硝煙が充満し、特に第2次世界大戦は凄惨だった。第2次大戦後、国際社会はその苦しみを教訓に、侵略戦争を引き起こす思想的根源を徹底的に根絶することを決意した。罪を認めることを拒んだナチスドイツの戦犯、エーリヒ・プリーブケが昨年10月に病死すると、アルゼンチンも、ドイツも、イタリアも埋葬地を提供しようとしなかった。一方、第2次大戦を策動したもう1つの国である日本では、A級戦犯が「英雄」として祀られたうえ、ひれ伏して礼拝を捧げられている。なんと鮮明なコントラストか!誰が日本に人類の良識と公理に挑戦する権利を与えたのか?誰が安倍ら政治屋に悪魔に礼拝を捧げる筋の通らぬ理屈を与えたのか?
靖国神社内の陳列室「遊就館」は侵略戦争を公然と美化し、いわゆる「靖国史観」を喧伝し、日本が太平洋戦争を発動したのは欧米による植民地支配からアジアを解放するためであり、日本は「ハル・ノート」を突きつけられて民族の生存のために真珠湾奇襲を余儀なくされたのだと公然と主張し、東京裁判は連合国が対日報復のために行った不法な裁判だと妄言を吐いてすらいる。安倍は再登板後間もなく、東京裁判について「日本人自身が行ったものではなく、連合国という勝者の側による断罪だったと言うべきだ」との奇怪な話をぶち上げた。今や安倍は全く遠慮なく、靖国神社を堂々と参拝したことで、東京裁判を否定し、世界反ファシズム戦争の成果と第2次大戦後の国際秩序を否定する邪悪な魂胆を一段と露呈した。村山富市元首相が少し前に人民日報への寄稿で指摘したように「日本はポツダム宣言、カイロ宣言および東京裁判の判決を受け入れることで、初めて国際社会に復帰できた。A級戦犯が合祀されている靖国神社に首相や閣僚が参拝することは受け入れた国際条約を否定することになる」のだ。
国際法の基本原則を守ることは国際社会のメンバーとして基本的な義務である。安倍の亡霊参拝は戦後日本が国際世論の了解を求め、国際社会に復帰した政治的な基礎を破壊した。これは歴史を逆行させるものであり、それがもたらす一切の責任は自らが負うほかにない。
安倍の行為は、世界反ファシズム戦争の成果を断固として守ることが、第2次大戦終結から60年余りになる今日もなお現実的な任務であることを、世界の人々にこれ以上はないほど明白に認識させた。
「人民網日本語版」2014年1月7日
|