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今年5月、重慶市で微小企業招聘ウイークのイベントが行われ、100社余りの民営企業が7000余りのポストを提供した(新華社) |
「人材募集難」が微小企業の第一の難関であるとすると、人材のキープが微小企業の発展を制約するもう一つの難関である。微小企業は実力に欠け、不安定なため、多くの人は微小企業をより良いポジションへの踏み台としか考えず、仕事に専心せず、さらにいいチャンスを見つければ、すぐさま転職してしまう。
「私たちのような科学技術型微小企業は、成長期には特に安定した高い技術を持つチームが必要です。会社側としてはハイレベルな技術者に来て欲しいけれども、まだ成長期にあるため、高い給料は出せません。それどころか、自ら育成した優秀な人材を大手企業に引き抜かれてしまうこともしばしばです」と、四川魔法動画設計有限会社の郝偉琦社長は語る。
吉林向宇農副産品有限公司の張社長は、「わが社は輸出企業で、生産した農産物は主に輸出されるため、外国語ができる人材をとても必要としています。わが社は東北地方の県都にあるため、交通が不便で、そこにいる人々はシンプルな生活を送っています。しかし、大卒生はみな大都市での生活に憧れるため、外国語ができる、または安定して雇用できる大卒生の雇用は困難を極めます」と語る。そのため、多くの地方の微小企業は主に家族メンバーに頼ることになり、子どもが親の企業を継ぐことが多い。しかし、張社長の一人娘は親の会社を継ぐことを嫌ったため、張社長は若い大卒生の雇用を余儀なくされた。少し前には、二年間育ててやっと仕事に慣れたばかりの外国顧客を担当していた社員が、都市部の会社にヘッドハンティングされてしまい、彼の会社は大きな痛手を被った。
人材をキープするために、張社長は新入社員に無料で食事と宿舎を提供し、大学院の学費も代わりに支払うのみならず、ガールフレンドまで紹介している。社員がこの地で家庭を持ち、根を張ってほしいと願うからである。人情に訴え、人材をキープするということは、多くの微小企業の重要な手段の一つとなっている。
「微小企業は小さく、管理も規範化されていませんが、より明るい未来と優れたチャンスを社員に与えることができます。多くの大卒生は、大手企業ではほとんどが末端レベルから仕事を始めるため、全面的に企業のコア業務に関わることは非常に難しいですが、微小企業の社員は全面的な成長チャンスを与えられます。そして企業の成長と共に、初期からいる社員は元老となることができます」
これは、張社長がよく部下に言い聞かせている言葉である。
人民中国インターネット版 2014年1月
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