味噌を中国人の食卓に

自社のインスタント味噌汁について熱心に説明する王暁賓さん

宮坂商貿(青島)有限公司の会議室のテーブルの上には、十数種類もの味噌製品が並んでいた。同社の社長補佐、王暁賓さんは、これらの味噌製品を指して笑いながら言った。「弊社は社長以下わずか三人の会社ですが、日本の味噌を全中国に売りさばこうとしています」

宮坂醸造株式会社は東京にあり、400年近い歴史を持つ食料品・飲料製造業者で、米国のロサンゼルスと中国の青島に二つの国外支社を持つ。「2009年11月、青島支社が設立され、2011年に中国で『神州一味噌』シリーズの販売を始めました」と、王さんは説明する。

創業したばかりの時は、中国人が味噌のことをあまり知らなかったために、青島支店には閑古鳥が鳴いていた。そのため、王さんらは中国各地を奔走し、味噌製品をアピールして回った。「われわれはスーパーで試食販売をしたり、日本料理店に連絡をとって商品を納入させてもらったり、あらゆる販売ルートを開拓しました。あの時は本当に大変でした」と、王さんは回想する。

2013年になると、王さんらの努力は報われた。「神州一味噌」シリーズの中国での販売量がアップしたのである。特に深圳と上海で、インスタント味噌の売上げが好調だった。「深圳は生活のテンポが早いので、忙しい労働者がお湯を注げばすぐ味噌汁ができるこの商品を好んだのかもしれません」と、王さんは笑いながら言う。「上海は昔から日本文化の受容が進んでいましたので、味噌も比較的市民に受け入られやすかったのだと思います」

2012年、宮坂商貿(青島)有限公司は売上額238万元を達成し、2013年には570万元に達する。王さんは自信に満ちた口調で、「2014年は810万元に達する見込みです」と言う。同時に、彼は中国政府が輸出方面での税の減免を継続してくれること、日系企業製品の宣伝に力を入れてくれることを願っている。

 

人民中国インターネット版 2014年1月

 

 
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