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李艶さん(左から2番目)は定期的に幹部職員を集めて会議を開き、業務についての議論を共に行う |
青島富博系統工程有限公司(以下は青島富博)は、青島ソフトウエアパークの多くの企業の中で特に目立つ企業ではないが、初めてこのソフトウエアパークに進出した外国企業である。2006年、この会社が青島にやってきた時、崔健社長の下には十人もおらず、福岡にある本社からソフトウエア加工を請け負い、それをまた戻して日本で販売するという業務を担当していた。当時、中国の労働コストは安く、青島政府の外国企業を優待する奨励政策もあったことが、彼らが中国にやってきた主な理由である。
その後7年で、青島富博は次第に百人もの社員を抱える会社となっていった。300平方㍍余りのオフィスの中では、たくさんの若者がそれぞれのパソコンの前で忙しそうに働いていた。「社員の平均年齢は24~26歳で、みな中国人です」と、社長補佐の李艶(32)さんは説明する。「われわれは若者の元気さと柔軟さという強みを大切にしています。彼らの至らない点については、会社は新入社員研修に力を入れています」会社は新規採用者全員に日本語、日本文化、ビジネスマナー、専門技能などの半年近い研修を行い、試験に合格した者だけがようやく仕事に就くことができるそうだ。
2013年、会社の業績に問題が生じた。「長年われわれの製品はすべて日本市場向けのものだったので、日本円で決算していました。今年は大幅な円安となったため、会社の利益が減ってしまったのです」と、李さんは言う。このため、青島富博は目を中国市場に向け始めた。中国企業に企業機密保護ソフトを提供する、在中日本企業の中国人社員研修を請け負うなどで元建ての取引を増やし、会社の利潤を上向かせようとしたのである。
またこの会社は、青島に新たに建設される新興経済区に引っ越すつもりである。そこではオフィス賃料の減免、税金還付補助金などの優遇政策を受けることができるため、大幅に会社の運営コストを下げることができる見込みだ。
「中国政府が提供する優遇政策を享受し、中国市場を開拓することは、わが社が現在の苦境を脱し、今後発展を続けるためのメーン戦略であり、希望の在りかとなっています」と、李さんは自信満々に語る。
人民中国インターネット版 2014年1月
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