新理念を基に新たな外交 |
沈暁寧=文 昨年3月以来、中国の新指導部は「平和、発展、協力、ウインウイン」という新しい外交理念に基づいて、世界の数多くの国家・地域と積極的に外交を展開し、世界にさらに中国理解を求め、また中国が国際社会とのつながりを緊密化し、協力関係をさらに拡大する上で効果を上げている。 このように、この1年の間に、新理念によって中国の外交政策に新たな局面が現れている。 大国同士で国際新秩序 「台頭する新興大国と既存大国との間には必然的に衝突が起き、甚だしくは戦争を引き起こす」――これは古代ギリシアの歴史家・トゥキディデスの著名な観点だ。西側の一部の学者はこの観点を根拠に、中国は発展に伴い、米国など既存大国と宿命的な対抗関係に陥るはずだと「予言」した。しかし、21世紀の現在、グローバル化のレベルは昔と大いに違い、平和的発展を信奉している中国がこの宿命を認めることは決してあり得ない。この1年余、中国は積極的に各大国と意思疎通し、共同でこの「鉄の規律」を打ち破ってきた。
昨年6月、習近平国家主席はオバマ米大統領と共に、カリフォルニア州のアネンバーグ別荘の庭園をそぞろ歩き、衝突せず、対抗せず、相互に尊重し合い、協力・ウインウインに努める新しい大国関係の構築に取り組むことで合意した。習主席が言ったように、広々とした太平洋は中国と米国をともに包容できる。その後、バイデン米副大統領が訪中し、中米第5回戦略・経済対話と第4回中米人文交流ハイレベル協議、中米商業貿易連合委員会(JCCT)が開催され、数百項目に及ぶ成果を収めた。エジプト、レバノン、チュニジアに駐在した安恵候元大使は、「中国が新しい大国関係の構築を提起したことは、中国に米国と対抗する意志がなく、平和的発展の道を歩む決意を示したものだ」と考えている。 ロシアも既存の世界大国の一つで、習主席は就任後初の訪問先としてこの国を選んだ。モスクワで、習主席はプーチン大統領と8時間にわたり心おきなく話し合い、「世紀の協力」と呼ばれる32の協力文書に調印し、中ロの友好協力関係に未曾有の新たな成長スポットをもたらした。上海国際問題研究院ロシアセンターの強暁雲研究員は「利益の融合の角度から見ても、運命共同体の角度から見ても、中ロ両国間が見い出せる協力領域は競争領域よりはるかに広く、共通点は相違点よりはるかに多い」と、分析している。 多極化世界の重要な一極として、中国は28カ国が加盟している欧州連合(EU)ともさらに実務的かつ全面的な協力関係構築に努めている。昨年5月、李克強国務院総理が欧州を訪問した。ドイツで、李総理はメルケル首相と中独戦略的パートナーシップの深化に関して新たなコンセンサスに達した。双方は両国の経済・貿易、農業、都市化、人文などの領域における協力を推進し、両国民の相互理解と友好増進について合意した。またスイスでは、自由貿易協定の締結を発表し、スイスは欧州初の中国との自由貿易協定締結国となった。中国社会科学研究院欧州研究所の周弘所長は「実務というのは、商売だけでなく、中国がEUを真のパートナーと見なすということだ。本当のパートナー関係が経済・貿易領域に発展してもいいし、人文、政治領域に発展してもいい」と語った。 李総理はベルリンで開かれた中独商工業界昼食会に出席した際、こう述べた。「私は協力のために来た。私は開放のために来た」。中国が誠意あふれる協力精神を持つからこそ、EU諸国が中国との協力による利益を得られるだけでなく、中国との協力に対する信頼感も次第に形成された。 昨年12月、キャメロン英首相は訪中した際に、英国が中国の西側諸国における最強の支持者になると語った。また彼が書いた文章の中で、「英国は相互理解、相互尊重の基礎の上で、中国と対話を展開し、両国が共に関心を持つ問題を解決し、両国の共同利益の擁護を希望する」と指摘している。今年1月29日、春節(旧正月)を前に、同首相は中国国民に送った新年のあいさつで、英国は中国に対しさらに開放につながる投資を行うと、重ねて強調した。
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