大学入試改革で負担減目指す

高原=文 馮進=写真

 今年中学3年生になる高天さんは、北京市の大学入試改革が3年後に正式に実施された後、第1期受験生となる。現在、中国の大学の定員は増え続けているが、名門大学に入るのは易しいことではない。大学入試に関するわずかな変化でさえも、先生や受験生、保護者にとって大いなる関心事となっている今、予定されている大変革の影響の大きさは計り知れない。

英語をめぐる悩み

 昨年末に開催された第18期3中全会では、中国の教育体制と入試の枠組み改革に関する若干の意見が提出された。今後、教育部と各地の教育部門はこれをもとに、各々教育・入試改革を行ってゆく。3中全会の文書には、「全国統一入学試験の科目数を減らし、理系・文系を分けず、外国語などの科目を社会化し、1年に何度か受けられるようにする」といった内容が挙げられていた。これを受けて、今年に入って、各地で改革案が続々と発表されている。北京における大学入試改革案もすでに発表されており、2016年までに北京の大学入試における国語の配点を150点から180点に、文系科目総合(歴史、政治、地理を含む)の配点を300点から320点にする一方、英語の配点は150点から100点に引き下げるとされている。また、英語は1回限りの試験ではなく、1年に2回の試験が行われ、受験生は3年以内に何度も受験でき、最も良い点数が大学入試の成績として加算されることになった。

 これは、英語の成績が良くない高天さんにとって、良いニュースと言えた。彼は小学校3、4年生の時から英語の補習クラスに通って努力してきたのにもかかわらず、ずっと成績が振るわなかった。今も高校入試に向けて、自ら親に20冊近くもの英単語や英文読解などの問題集を買ってくれるよう頼み、どの本にも真剣に取り組んでいるにもかかわらず、成績は相変わらず伸び悩んでいた。

 高天さんの母親である田紅さんは、「うちの息子にとって、英語の入試改革はいいニュースです。英語という科目は一番難しく、中には得意な人もいるでしょうが、苦手な人もいます。うちの子は、英語にかなり力を入れていますが、それでも駄目です。だから今度の改革で入試難度が下がったことは、彼にとってとても有利なことです」と語る。

 しかし、高天さんと幼なじみの高歌さんにとっては、少し状況が異なる。彼女は現在高2で、来年、従来通りの入試を迎える。「私は英語が一番得意で、普通理系の人は国語や英語はあまり得意ではありませんが、私は例外です。だから私は絶対に浪人することはできません。浪人したら、私の有利な点がまったくなくなります」と、彼女は言う。

 高歌さんの父である高勇華さんは、「今度の英語入試改革の良し悪しは何とも言えませんが、現在の中学英語の教え方が正しいとは言えないことだけは確かで、子どもたちは英会話ができません。でも英語はやはり重要です。今は昔のように外人も見かけず、外国に行くのは夢のまた夢なんてことはありません。子どもがツアーに参加して外国旅行に行くこともあり、どこでも英語を使う必要性があります」と語る。

 大学入試改革の狙いが、中国伝統の学問について多く学ばせ、外国語と母国語の勉強が本末転倒にならないようにするものであるとしたら、学生と保護者のこれに対する理解は、これによって利益を多く得なければ、というものである。結局、大学入試をどのように改革しようとも、一回の試験で今後の人生が変わってしまうという性質は、根本的には変えることができないからである。

 

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