大学入試改革で負担減目指す

 

 

文理分けの是非

 受験生や保護者たちの英語配点の引き下げについての意見は各自異なるが、今後、文系・理系の区分がなくなることに対しては、みな同じような心配を抱えている。現在、中国の高校生は2年の時に文系・理系というコース分けが行われ、国語・数学・外国語というメイン科目以外は、文系では歴史・政治・地理、理系では物理・化学・生物という3つの入試科目しか勉強しない。早すぎるコース分けは、生徒の知識構造を単一化し、思考を硬直化させる。この角度から見ると、文理分けを行わないということは、生徒の総合資質を養うことになるが、保護者は別の形で子供たちの課業の負担が増えることを心配している。

 これに対し、中国教育科学研究院の儲朝暉研究員は、現行の文理分けという制度はおもに実用的な考えからであり、人類発展という角度から見ると、優れた人物はみな文理に相通じており、そのために彼は文理分けを支持しないと語る。文理分けしないことが生徒の負担につながるという意見は、過去の入試制度による判断である。今後の大学入試制度は改革され、入学試験のポジショニングにも変化が発生し、知識テストから総合資質テストへと変わってゆくだろう。「いかに多くの科学的知識を運用できるか、一つの問題を分析する能力があるかなどを試すものとなるでしょう。その時には模範答案自体がなくなるかもしれません」

 その時が来れば、本当の負担減と総合資質の向上が実現するかもしれない。教育課程改革が最終的に効果を発揮できるかどうかは、今後、大学入試制度に抜本的な改革が行われるかどうかにかかっていると言えよう。

 

人民中国インターネット版 2014年2月

 

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