「一人っ子」緩和で人口構造調整 |
「2人目」という悩み 娘のために妹が欲しいと考えているものの、于さんの心にはまだ迷いがある。それは2人の子どもの面倒を見ることができるだろうかという心配によるものだ。夫は公務員で仕事が忙しいため、今は主に自分と実の母で子どもの面倒を見ている。 「今、2LDKの家に住んでいますが、子どもが2人になれば、ここも引っ越さなくてはならないし、車も買い替えなければなりません。長女がお話を聞かせてくれるようねだったり、工作をしたりして遊んでいる時でも、次女はまだ小さいため、抱っこして、あやさなくてはならないので、1人では到底やっていけません。長女が次女の面倒を見てくれると言う人もいますが、長女だって自分でやりたいこともあるでしょうし、弟や妹のレベルの低い遊びにつきあわせてばかりいるわけにはいかないでしょう。中国の現状から見れば、本当にお金持ちの家庭以外は、2人子どもがいたら、母親はまったく自分の時間というものがなくなってしまいます」 『北京青年報』が行った100人の一人っ子を持ち、片親が一人っ子である家庭へのアンケート調査では、25人が2人目の子どもが欲しいという明確な意思を示し、30人が考えてみたいと答えており、この2者を合わせると過半数を超える。さらに45人が2人目の子どもはいらないと答えている。その理由としては、経済力不足や、子育てをする体力・気力がないというのが主だった。 高齢化の脅威 「単独両孩」政策により、中国の一人っ子政策には大きな調整が加えられたことになる。中国人民大学人口と発展研究センターの顧宝昌教授は、中国で極めて低い出生率が20年続いた後に行われた今度の政策は、人口構造を健全なものとすると考えている。これ以前、中国の出生率は1970年の3・34%から2012年の1・21%に下がり、自然人口増加率は1970年の2・58%から2012年の0・495%となり、世界平均の半分という水準であった。また、「中国シルバー事業発展報告(2013)」によると、昨年の中国の高齢者数は2億2百万人に達している。国家統計局の統計では、2012年末の段階で、中国の15~59歳の生産年齢人口は9億3727万人で、前年より345万人減少している。 改革開放後、中国経済が高速で成長した一つの重要な要因は、生産年齢人口の多さにあった。専門家は、出生率が極めて低い状態では経済成長率も頭打ちとなると考えている。中国社会科学院社会学所の張翼副所長は、「生産年齢人口の減少は、人口モデルチェンジのターニングポイントがやってきたことを示しており、中国の生産年齢人口が次第に減少してゆくことを意味しています。このため、一人っ子政策の緩和は人口構造の調整の重要な手段の一つとなるでしょう」と語る。
人民中国インターネット版 2014年2月
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