制度化への道

 

 改革開放後、経済建設が社会生活の中心になった。一部の党・政府官僚は職権を利用し、不足物資を不正取引し、公文書を悪用して金銭を横取りするなどしたため、大衆から「役人ブローカー」として非難された。改革開放に悪影響をおよぼすことを懸念した鄧小平は「ひとつの手で改革開放をつかみ、もうひとつの手で腐敗をつかみ、退治しなければならない」と指示した。さらに「高級幹部であればあるほど彼らの違法事案はしっかり調査し、処分しなければならない」と強調した。1982年4月、党中央は全党員にあらゆる経済犯罪と闘うように号令を掛けた。1年足らずで全国で調査した各種経済犯罪は1912万件余に達した。

 1997年9月、当時の江沢民総書記は反腐敗を国家の命運を左右する闘争とみなし、継続的に深めなければならないと指示した。翌年7月、元政治局委員・北京市委員会書記の陳希同に対して汚職の罪で懲役16年の判決が下された。これは新中国成立以来、最も地位の高い人物の腐敗事案だった。

 2002年11月に招集された中国共産党第16回全国代表大会(16大)後に選任された胡錦濤総書記は「教育を基礎とし、制度を鍵とし、監督を保障とする」反腐敗方針を打ち出した。これ以来、中国の反腐敗は制度化を目指した。2003年、中国は「国連腐敗防止条約」を批准し、一部の国々と海外逃亡した腐敗官僚の相互引渡し協定を締結し、また2004年には「中国共産党紀律処分条例」「同党内監督条例」を相次いで打ち出し、幹部の引責辞職制度を確立し、また専門的な巡視機関を設立した。さらに新聞などのメディアに監督と指導の役割を果たすよう提起した。

 中央党校政法部の林喆教授は「17大で『権力の運用は日の光の下で行わせる』と提起した時点で、中国は制度的な反腐敗の道筋を見付け出した」と語る。

 

 

人民中国インターネット版

人民中国インタ-ネット版に掲載された記事・写真の無断転載を禁じます。
本社:中国北京西城区百万荘大街24号  TEL: (010) 8837-3057(日本語) 6831-3990(中国語) FAX: (010)6831-3850