大臣級の18人を取り調べ

王焱=文

 中国社会の一部の地区、一部の部門で汚職腐敗現象が相変わらず多発し、腐敗撲滅、清廉推進はさまざまな問題に直面しているが、党の腐敗一掃に対する断固たる決意と鮮明な態度は終始一貫、微動だにしていない。一昨年11月の18大以後、習総書記が率いる党中央は党を厳格に治めることを堅持し、拳を固めて腐敗撲滅に立ち向かっている。

相次いで「落馬」

 四川省党委員会の李春城元副書記は一昨年11月、党中央紀律検査委員会(中紀委)の調査を受けた。同年12月2日、李元副書記は四川から連行され、18大以降、最初に「落馬」した副省長(副大臣)級の高官となった。報道によると、彼の失脚は不動産企業と癒着し職権を乱用した汚職によるもので、関連企業側の責任者もすでに失脚している。昨年12月末現在で、過去1年間に、18人の大臣級の高官が紀律違反の容疑で取り調べを受けた。

 「トラの腐敗」にとどまらず「ハエの腐敗」にも取り調べと処置にも力を入れている。昨年、湖南省衡陽市で省人民代表選挙で深刻な買収事件が発生した。調査によると、当選した同省人民代表のうち合計56人に買収行為があり、買収金額は1億1000万元余に上り、同市人民代表518人と大会スタッフ68人が金品を受け取っていたことが明らかになった。その結果、省人民代表大会常務委員会は法律により、贈賄が明らかになった56人の省人民代表の当選を取り消した。さらに、事件に関与した党員と国家公務員を調査し、犯罪の疑いがあるスタッフを司法機関の審査に委ねた。当時、同市人民代表大会改選委員会の委員長を務めていた童名謙湖南省政治協商会議副主席は職務怠慢で免職の処分を受け、中紀委の調査を受けることになった。昨年1月から9月の間に、各省・自治区・直轄市の紀律検査委員会、監察機関が対処した腐敗事案は11万7000件で、前年同期比10・1%増え、処分者は10万7000人で同13・1%増加したと報じられている。

 このように、職位の高低、腐敗行為の大小にかかわらず、腐敗があれば法に基づいて厳格に処理されていることは事実が証明している。

トラもハエも

 中央巡視工作指導チーム(巡視チーム)の職場、地方派遣が腐敗摘発の有力な手段になっている。昨年5月、新指導部が発足して以来、第1陣の巡視がスタートし、党中央は江西、湖北、内蒙古、貴州、重慶、中国食糧備蓄管理総公司、水利部(部は日本の省に相当)、中国出版集団、中国輸出入銀行、中国人民大学の10カ所に巡視チームを派遣し、査察を行った。「トラもハエも」一網打尽の姿勢を堅持している。

 昨年11月、中紀委の張軍副書記はメディアの取材に対して「巡視チームは第1陣の巡視で、一部の指導幹部の腐敗問題摘発の手がかりを見つけた」と答えた。昨年末、巡視チームが発見した「トラとハエの腐敗」を党中央に報告した。

 同氏によると、巡視チームが摘発した腐敗事案、手がかりは分類して処理している。つまり、違法、紀律違反事案の手がかりは中紀委に報告する。人事上の問題は党中央組織部に引き継ぐ。引き継ぎ後、上述の各部門はこの事案と手がかりを優先的に処理し、規定の期限内に巡視チーム事務局にフィードバックする。

 昨年10月28日、中紀委が調査した貴州省党委員会常務委員・遵義市党委書記廖少華の重大な違法、紀律違反事案はまさに同省に派遣された中央巡視チームが摘発したものだった。

 同氏はさらに、巡視活動も事案処理も、その根本的な目的は問題を起こしたそれらの官僚を単純に処罰することにあるのではない、と強調する。巡視活動では早期発見と小さいことでも見逃さないことが特に強調され、指導幹部に存在する腐敗の予兆に対して、直ちに厳しい警告を与え、まだ萌芽の段階で腐敗問題を解決する。これは幹部の関心を大切にすることであり、処罰される前に、主動的に予防するように変える上で有利である。

 昨年9月、巡視チームは第1陣の活動を終えた。目下、同チームは第2陣の活動をすでに始めており、10チームが山西、吉林、安徽、湖南、広東、雲南、新華社、国土資源部、商務部、三峡集団に対する巡視に着手している。

できもの切開

 もとより、ある地区、ある部門で腐敗分子が摘発され、あるいは違法、紀律違反問題が起きると、人々がマイナスのイメージを持つことは避け難い。しかし、もし真相を隠蔽(いんぺい)し、悪人悪事を見逃し、奸物を泳がせているとすれば、そのリスクはもっと大きく、最終的に影響するのは党の清廉性、先進性であり、国家、人民の利益である。できものを切開し、腐敗分子を根絶してこそ、党と国の健康体を保つことができる。この1年来、党が腐敗撲滅に大なたを振るっていることは国民の間で大いに評価を高めている。

 

 

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