不動産を制限

 

現行の住宅配分制度や住宅監督管理制度の欠陥により、「権力で不動産をむさぼる」ことが次第に官僚の腐敗の新たな手段になってきた。一般国民が自分の家を持つために歯を食いしばって頑張っている時に、一部腐敗した官僚は数十もの不動産を所有している。不動産腐敗は公金での飲み食いや公用車の不正使用に続き、国民が心底嫌悪する新たな腐敗現象になっている。  そうした中で、「公邸制」に対する模索は、18期3中全会以降、中国共産党が打ち出した重要な改革の取り組みの一つで、国が在任中の高級官僚に住居を提供する住宅制度のことだ。高官たちは提供された住宅に住むが、所有権はなく、任期が満了するとこの「公邸」から退去しなくてはならない。このような官僚住宅制度は世界的にはよく見られるが、中国ではまだ珍しい。

 この制度によって、「権力で不動産をむさぼる」現象を抑制する効果が期待できる。官僚たちが職権を乱用して家を建てたり、赴任先が変わるたびに新しい住宅を占用したり、退職後も国家所有の住宅から退去しなかったりということは2度とできなくなる。これによって官僚の住宅は規範化、制度化、公開化されるようになり、不動産腐敗の根源が取り除かれるはずだ。

 もちろん、「公邸制」は官僚による不動産腐敗を抑制する第1歩に過ぎない。中国は膨大な数の官僚を抱えており、この制度に該当するのはそのうちのごく一部だ。そこで、大部分の末端官僚や公務員、国有企業のトップに対しても次第に住宅の公開を実施していく。「公邸制」と公務員住宅公開制の同時進行によって、「権力で不動産をむさぼる」問題を根絶することが期待される。「公邸制」の実施は官僚の公費使用の透明化を反映するもので、官僚の飲食、公用車、警備、サービスなどの待遇も制度によって制限していく。公用車を例に挙げると、このほど中央委員会と国務院は一般公用車の廃止を発表し、長年準備を進めてきた公用車改革が正式に開始された。

 

 

人民中国インターネット版

人民中国インタ-ネット版に掲載された記事・写真の無断転載を禁じます。
本社:中国北京西城区百万荘大街24号  TEL: (010) 8837-3057(日本語) 6831-3990(中国語) FAX: (010)6831-3850