債務問題が今年の中国両会焦点の1つに

 

債務問題が今年3月初めに北京で開かれる両会(全国人民代表大会と全国政治協商会議)の焦点になる見通しだ。

中国の債務問題は、米国やギリシャなどの西側諸国と異なるものの、世界第2位の経済大国がもたらすリスクに関心を集まっている。

発展改革委員会高官は、2013年6月末の時点で、中央政府および地方政府が返済責任を持つ債務は20 兆6900億元、担保責任を持つ債務は2兆9200億元で、政府が救済責任を持つ債務は6兆6500億元と発表した。

現行の法律では地方政府の債券発行が認められないため、一部の地方政府は融資プラットフォームから高い利率で資金を調達するとともに、土地売却の元利返済に頼りすぎている。しかもこうした方法で得られる多くは短期資金で、多くは地方のインフラ事業に投入され、短期収益が低いため、深刻な期限の食い違いが大きな返済圧力となっている。

米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は、雪だるま指揮に増える地方債務は多くの損失をもたらすと指摘。融資が収益を実現できないため、商業銀行の貸借対照表にマイナスの影響をもたらすと同時に、多くの債務側は意思決定不足の責任を負う必要がないため、道徳的リスクを誘引する可能性がある。

中国の政府債務に存在する突出した問題と管理状況について専門家は、短期的な対応策と長期的な制度構築を考慮し、政府債務のリスク抑制と緩和に力を入れ、第18期中央委員会第3回全体会議(三中全会)での改革の全面的深化の決定が順調に具体化されれば、情勢が改善されるとの見方を示す。

経済発展方式の転換は特に重要だ。匿名希望の末端の政府官僚は「地方債が生じた根本的原因は上から下までの政治業績観にある。今では経済成長偏重を改める方針が示されたため、ある程度政府債務の削減につながるだろう」と語る。

「地方債リスクの問題は数ではなく、監督管理にある」と上海財経大学の胡怡建教授は指摘する。

多くの人々の関心と世論の圧力の下、中国の地方政府は、国が地方債務の監査報告書を発表後に次々と借入主体、資金源、返済期限など債務帳簿を公表し、政策決定者が今後税制・財政政策を策定・修正する上での根拠を提供し、地方債務のリスクへの対応の重要な一歩を踏み出した。

債務監査の公開は地方債の透明度を高めたものの、返済や融資の持続可能性について一部の地方官僚の困惑が浮き彫りとなった。

「一部の長期的な制度がもたらした問題は一朝一夕で解決できるものではない。地方幹部を数年して役職が代わると、その幹部が借りた借金をどう処理するかについてはっきりしない」と匿名希望の地方官僚は話す。

取材を受けた地方官僚らは、まもなく開かれる両会で明確な改革方針が打ち出され、官僚の評価、財税体制改革、地方政府の融資方式が改められることに期待を示した。

ある地方財政局の官僚は「市の政治業績を考慮すべきだ」とし、「国が進めている新型都市化は多額の投入で支出をまかなう必要がある。地方政府は本当の意味で独自の債券発行を実現しなければならない。これは将来的に財税体制改革の突破口ともなる」と指摘する。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年2月27日

 

 
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