2014年の「両会」 世界はどこを見る?

 

中国共産党の第18期中央委員会第3回全体会議(三中全会)で承認された改革案は、この30年で最も壮大な志のある改革計画として評価されている。そして、2014年は中国の「改革の全面的深化元年」と称され、改革対策をいかに具体化するかがこの1年の重点中の重点になる。そんな中開かれる2014年の「両会(全国人民代表大会と全国政治協商会議)」は、国の統治体制と統治能力の近代化を推し進め、資源配分で市場の決定的役割を発揮するほか、都市と農村の二元構造の壁を解消し、基本的な公共サービスの均等化を図り、「単独二胎」政策(夫婦のどちらかが一人っ子である場合、子供を二人産むことができる政策)を実施するなど重要な改革対策を確立する重責を担っており、国外からも高い注目を集めている。

海外メディアは中国の政治、経済、外交、軍事、社会、環境などに関して論説、その全体的な特徴として、改革案の具体化と中日関係の方向性の2つに主に関心を寄せている。国内問題に関しては、新指導部の施政成果の総括、将来的な中国経済発展の方向性の予測、中国社会・民生分野の解決が待たれる問題の指摘、三中全会の改革案はいずれも海外メディアにとって批評・分析の重要な背景と前提となっている。対外関係問題に関しては、中日の海洋領土や歴史問題をめぐる対立のエスカレートに注目し、中日間の角逐は海外メディアが中国の外交政策の転換や軍事的自信の増強を分析する出発点ともなっている。両会期間中はこの2つの主要路線をめぐる議論が交わされるだろう。具体的には次の通り。

(一)政権交代から1年になる新指導部の施政方針の総括:新たな1年の施政の重点がその延長線にあり、どういった調整が行われるか。どういった新しい対策をとり、施政目標を強化するか。

(二)三中全会の改革の精神の具体化に注目:どこから行政体制改革の深化に手をつけるか。新型都市化の計画、所得分配制度改革の細則、国有企業改革の全体案が打ち出されるかどうか。土地、金融、司法など分野の改革の推進とそのスケジュール。

(三)中央政府の反腐敗運動の成果、方向、重点に注目:新任幹部の財産公開の試験的実施、第一人者の権力の適度な分散、幹部の待遇基準の制定など三中全会後に中央政府が発信した一連の制度面の汚職対策のシグナルが本当に具体化されるかに海外メディアの注目が集まっている。

(四)経済発展情勢および直面する課題の予測:両会期間中に公表される2014年の国内総生産(GDP)成長率の目標値が新たな議論を呼ぶだろう。それに関連する話題は、中国の経済成長が安定移行を実現できるか、地方政府の業績評価に関する新基準の具体的荷重、金融市場改革の具体的政策の方向性、中国(上海)自由貿易試験区の運営効果および全国に普及できるかなど。

(五)外交戦略の新たな方針と政策の方向性に関する観察:2014年は中国外交の全面的な開拓の年となる。両会期間中、その外交政策と全面的な外交方針も密接な観察の対象となる。それに関連する話題は、中国は外交政策の「方向転換」をさらに強化するか、中米の新たな大国関係をいかに充実させるか、周辺関係における協力と相互信頼をどう具体的に強化するか、国家安全保障委員会が対外問題においてどう役割を発揮するかなど。

(六)中日の緊張関係悪化および不安定な東アジアの安全保障情勢への懸念:両会期間中、中日関係に海外メディアの視線が注がれるのは間違いない。それに関連する話題は、中国が中日対立を解決する有効な枠組みを提示できるか、中日関係はいかに正規の軌道に乗るか。

(七)中国が海軍力強化でみせる軍事的自信に注目:両会で公表される新たな1年の国防予算と軍事力発展に関する状況が海外メディアの強い関心を集めるだろう。それに関連する話題は、中国の軍事費拡大が地域の安全への不安を強めるのではないか、軍事力強化の方面で新しい変革があるか、中国海軍が戦略的転換を果たす上での新たな取り組み、中国軍の周辺の安全保障情勢への対応と国家主権維持の方面での新たな動向など。

(八)社会分野の改革はより大きな課題に直面する:両会期間中、社会民生分野の議題も焦点になる。それに関連する話題は、社会分野の改革を進める上で全体的な計画はあるか、民生改善の方面でどういった新政策が打ち出されるか。

(九)環境問題の解決において積極的な革新の必要性を強調:海外メディアは、2014年は中国の大気汚染問題への取り組みが転換する年とみている。第12次5カ年計画(2011-2015年)が来年終了するにともない、同計画で定められた具体的なエネルギーや環境の目標が実現できるかに海外メディアは注目している。それに関する話題は、同計画で定めた環境目標の達成をいかに確保するか、大気汚染を削減する革新的仕組みを構築できるか、大気汚染防止計画の具体的な実施など。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年2月28日

 

 
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