両会期間に突入 李克強総理の政府活動報告に注目集まる |
中国人民政治協商会議(政協)第12期全国委員会第2回会議が本日に開幕し、中国は正式に両会(全国人民代表大会と全国政治協商会議)期間に入る。2日後には第12期全国人民代表大会第2回会議が予定通り開かれる見通しだ。2014年は新指導部発足の2年目にあたり、改革の全面的深化が始まる年でもある。改革の一手がどう打たれ、制度設計がどう実行に移されるかが今年の両会の最大の見所となる。 中国の改革はすでに堅塁攻略の時期・水の深みに入った。既得権益の壁を乗り越え、改革を深く掘り下げていくことが各界の共通認識となっている。こうした中開かれる両会で、共通認識を固め、改革の全面的深化の具体策が検討される。 100日余り前に開かれた中国共産党第18期中央委員会第3回全体会議(三中全会)では、改革の全面的深化に関する長期計画が打ち出され、15の分野で60項目の任務が提起された。経済、政治、文化、社会、生態文明、党の建設など各方面にわたる330項目以上の改革の取り組みに触れている。その後、行政、財政・税、司法など改革のカギとなる分野が相次いで「成績表」と「日程表」を提出した。 特別機関である「中央全面深化改革指導小組」の新設は、中央の改革に対する決意をあらわしている。両会期間中、政府の主張が法定手続きを経て国家の意志となり、改革の議題が文書から具体化される。 特に注目に値するのは、李克強総理が3月5日に新中央政府を代表して行う初の活動報告で、この1年の活動が総括され、新たな一年の発展の見取図が描かれることだ。この1年、39回に及ぶ国務院常務会議で議論された議題は組織改革、「簡政放権」(行政機構簡素化と権限委譲)、汚職対策、都市化、大気汚染対策、農村と都市の住民向けの年金制度の統一など100以上に上り、様々な方面から改革の方針と決意が示された。 中国共産党は 国家の管理体系と管理能力の近代化を推進することを改革の深化の総目標としている。そして、改革を前進させるにはトップダウン設計を強化するしかない。国家行政学院公共管理教学科学研究部の竹立家教授の指摘するように、目標と事柄がはっきりした状況で、改革のの操作性を高めるには、両会での法整備が非常に重要となる。これが改革の取り組みの監督、協調、具体化につながる。 マクロ面では、中国経済の動向は両会前から注目を集めている。先に開かれた地方の両会で、多くの省がGDP成長率の目標を下方調整し、「成長ペースを落として質を高める」が共通認識となった。国内外の経済情勢が大きく変化する中、李克強総理の政治活動報告が経済成長と改革のバランスをいかにとるかも期待される。 汚職対策も毎年の全国両会で注目を集める議題の一つだ。中国共産党第十八回全国代表大会(十八大)以降、汚職対策の勢いは凄まじく、すでに20人以上の省・部級幹部が失脚した。第18期三中全会でも中国共産党の紀律検査体制の改革、権力に対する監督強化、汚職対策のための制度の推進などのロードマップが明確になった。新たな1年、汚職対策の制度化、法治化が進むと大いに期待が寄せられている。また今年の全国両会で、汚職対策が「表面」から「根本」まで新たな進展があることが望まれる。 腐敗対策とともに、新指導部は十八大以降、「八項規定」を始めとする党員再教育運動を展開してきた。この1年余り、3万人以上の党員幹部が八項規定に違反したとして処分され、社会に「役人は容易でない」との認識が広まり、公務員も「役人は安心して暮らせない」と不満をもらすまでになった。ただ、官界の新風に対して「突風」にすぎないのではないかとの懸念もまだある。長期的な制度設計によっていかに根本から「官僚至上」からの脱却を図るかを全国両会で考えなければならない。 また、土地改革、国内の自由貿易区建設、多国間自由貿易協定(FTA)交渉、「シルクロード経済帯」や「海上シルクロード」の発展など一連の経済をめぐる議題も今回の全国両会の焦点となる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年3月3日
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