中国経済情勢分析(1):中国経済は衰退しているか

 

海外の投資銀行やメディアの一部では最近、中国経済の衰退を指摘する声が再び上がっている。この中国経済衰退論をいかに考えるべきか。現在の中国経済はどのような状況にあるのか。5日に行われた両会(全国人民代表大会・全国政協会議)の記者会見で、国家発展改革委員会の徐紹史・主任はこれに対し、「今年の中国経済は好調な滑り出しを見せており、見通しは明るい」とはっきりと応えた。記者はこの問題について、両会の内外で代表や委員、専門家に意見を聞いた。人民日報が伝えた。

【疑問】中国経済は衰退に直面しているか

【回答】経済情勢は予想を上回り、経済活動のファンダメンタルズは変化していない

中国の経済成長率はここ数年、連続的に下降しており、中国経済が衰退に直面しているとの見方がある。

全国政協委員を務める著名な経済学者の林毅夫氏はこれに対して異議を唱えている。林氏によると、国内の経済成長率がスローダウンした主な原因は、世界経済全体の軟化にある。例えば2013年、米国の経済成長率は1.8%にとどまり、欧州にいたっては0.4%のマイナス成長となった。「インドやブラジルは中国と同じ新興経済国だが、こうした国の経済指標の下降幅は中国よりも大きい」と林氏は指摘する。

発展改革委員会の徐紹史主任は、経済を考えるには大局を見る必要があると主張する。「2013年の中国の経済社会は良好な発展情勢を見せた。GDPは7.7%成長し、CPIは2.6%上昇し、1310万人の雇用が実現され、全国の住民の可処分所得は8.1%増加し、いずれも予想を上回っている」。徐主任はさらに、GDPに占める第三次産業の割合が昨年、第二次産業を初めて上回ったことを指摘し、中国の構造調整が重要な進展を遂げているとの見方を示した。

不安視する声が高まる成長率減速の問題について、徐主任は、小康(ややゆとりのある)社会を2020年までに全面的に構築するとの目標は、7%の成長率を維持すれば実現できるとの見解を示した。世界の先進国や主要な発展途上国と比べれば、7.7%の成長率も最も高い部類に属している。「中国には資源や環境などで大きな制約があるため、中国は成長速度だけを追求するわけにはいかない。だが構造調整と改革促進に良好な環境を作り出すためには、経済成長率が最低ラインを下回らないように配慮する必要もある」。

徐主任はさらに、「経済成長の小幅な変動は正常な現象で、経済法則とも合致しており、中国の経済活動のファンダメンタルズに変化はない」と指摘した。

全人代代表を務める広東省社会科学院産業経済研究所の向暁梅・所長は、中国経済衰退論を吹聴することは、一部の国際資本の悪質な態度を示すものだと主張する。向氏によると、巨大な規模の中国経済の「衰退論」をことさら吹聴することには、中国に圧力をかけてチャンスを広げ、利益にあずかろうとの意図がうかがえる。

「我々は、大国の度量と自信をもって、外からの疑問に応じなければならない」と、全人代代表を務める東華大学経済発展・協力研究所の厳誠忠所長は語る。経済発展はそもそも直線的なものではなく、中国経済の減速には、国内の調整や転換の要素と世界経済の低迷という背景が存在していることを見落としてはならない。

 

 「人民網日本語版」2014年3月7日

 

 
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