張兆安代表:上海自由貿易区が中国の改革の全面的深化の足掛りに | ||
沈暁寧=聞き手 馮進=写真・ビデオ 3月5日、李克強総理が第12期全国人民代表大会(全人代)第2回会議の開幕式に際して行った「政府活動報告」の中で、上海自由貿易区の改革における試験的作用について2度言及し、上海自由貿易区が中国で今まさに展開している改革の全面的深化に重要な地位を持つことを体現した。
昨年9月29日の上海自由貿易区の成立から半年が過ぎた。現在、その発展はどのような段階にあるのか、改革開放方面の試験と探索に初期的効果が見られるのか、全国的に普及し、コピーすることのできる新しいメカニズムをいくつかすでに作り上げているのか。本誌記者はこうした疑問を持ち、全人代代表で、中国民主建国会上海市委員会副主任、経済学者の張兆安氏に取材を行った。 張氏は以下のように語る。上海自由貿易区成立以来、全体的な発展趨勢は良好で、効果も予定していたレベルに達しています。上海自由貿易区は中央が上海に与えた重要な任務で、目的は改革を実現することです。多くの人が自由貿易区改革とはいったい何を変えるかについて関心を持っています。その実、自由貿易区改革の重要な内容は政府の管理体制改革で、つまり政府の職能を転換することです。この中で最もカギとなるのは審査・許可制度改革です。 「18大」以来、審査・許可制度改革の方向は明確です。まず審査・許可項目を減らします。中央政府から地方政府まで、みな審査・許可項目を減らそうと努めています。総理は「政府活動報告」の中で過去一年間、政府は416項目の行政審査・許可項目を削減・権限移譲したことを発表しただけでなく、今年はさらに200以上の行政審査・許可項目の削減・権限移譲を計画していることを発表しています。その次に、審査・許可権限の移譲です。上海自由貿易区はこの方面の改革は一足飛びに、審査・許可制度を廃止してしまおうとしています。これは画期的な改革といえます。
3月5日午後、習国家主席が上海代表団の「政府活動報告」審議に参加した際、上海自由貿易区の建設は大胆に試み、大胆に突進し、自主的に改革しなければならないことをさらに明確にしました。これはわれわれの主要任務が改革であり、国際ルールにのっとった管理体制、運行システム、監督・管理モデルを確立することを要求するものであります。そののち、これを基礎にコピーや普及できる経験をつくりあげ、全国の他の地方の改革深化の中でモデルと手本としての作用を発揮させるのです。 現在、コピー可能で、普及可能なモデルが上海自由貿易区にすでに体現されてきています。今年9月の上海自由貿易区設立1周年の時には、このようないくつかの制度が発表されることでしょう。たとえば上海自由貿易区は工商登記制度を改革し、過去の企業の実収資本登録制を発行資本登録制にするなどです。こうすれば理論上は一元でも企業登録ができ、これは全国でも初めて実行されるものです。 そのほか、上海自由貿易区は国際投資の利便化の方面で、新しい制度をいくつか検討中です。現在実行中の「参入前内国民待遇」と「ネガティブリスト」制度がその中でも重要な内容です。「ネガティブリスト」は、中国では以前に試みられたことがありません。その実、審査・許可制度が取り消された後、それに代わるものが「ネガティブリスト」なのです。以前は企業はすべての経営項目を政府の審査・許可を得るために報告しなくてはなりませんでした。現在はちょうど反対で、政府がやってはいけない項目をリストにし、リストになければ企業はすべて経営することができ、政府の審査・許可は不要なのです。 当然、われわれは審査・許可制度がなくなっても、監督管理制度がまだあることを、知らなければならない。以前、起業の敷居はとても高く、多くの手続きを必要とし、多くの審査・許可を経る必要があり、手続きがとても煩雑で、門をくぐるのがとても難しかった。しかし政府の企業の経営に対する監督・管理が弱く、海賊版や劣悪商品などの問題が発生していました。現在、上海自由貿易区のやり方はこれとちょうど逆で、企業の創業はとても早く便利ですが、政府の企業の生産・経営に対する管理・監督はとても厳しくなっています。これは第18回3中全会で言及されていた、市場に資源配置の中で決定的な作用を持たせるという要求に符合するものです。企業の創業は市場に決定させ、市場にどのような需要があるかによって、どのような企業が創業されるかが決まるのです。 上海自由貿易区の建設は漸進式で、開放の拡大方面では、昨年2013年版のネガティブリストが制定されています。現在、われわれは2014年版のネガティブリストを準備しているところです。2014年版は2013年版よりも制限がより少なくなり、外資企業に対する開放の度合いがさらに大きくなり、開放分野もさらに増えることを確信しています。
人民中国インターネット版 2014年3月9日
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