マレーシア機MH370便、消息を絶った原因は?

 

マレーシア航空のMH370便は3月8日未明、ベトナム・ホーチミンの管制区域で消息を絶った。機内には239人の乗客が搭乗しており、中国人が150人以上含まれていた。中国科技報が伝えた。

中国・米国・マレーシア・ベトナムなどの国が緊急救助活動を展開しているが、北京時間3月9日午後10時の時点でも、このボーイング777−200の行方が明らかになっていない。航空機はなぜ交信が途絶えたのだろうか?航空機の交信が途絶えた場所の特定はいつになるのだろうか?これはすでに、人々が最も関心を持つ話題となっている。

中国科学院院士、航空材料専門家の曹春暁氏は取材に応じ、次のように語った。

航空機の消息を絶った原因には、複数の可能性がある。航空機の残骸、および機内のブラックボックスの発見が当面の急務だ。事故原因については、具体的な状況を判断しなければ分からない。

出火や部品の断裂などエンジンの問題、飛行システムなどの電子情報システムの故障、重要部品の故障、材料の疲労による断裂の可能性がある。また特殊な気流や人為的な破壊行為も、航空機の事故を引き起こす。

同型の機種は過去にも小さな故障を起こしたことがあるが、大きな故障は起こしていない。航空機全体が落下したり、空中分解するといった大きな問題も生じていない。

航空機の位置が特定できないため、海に墜落した可能性が高い。海は広大で、航空機の事故発生時の飛行ルートも判断しがたいため、具体的な位置を特定するのは困難だ。もちろん辺鄙で人のいない場所に落ちた可能性も否定できないーー。

交信が途絶えた航空機をレーダーで捕捉できない理由について、国防科技大学電子科学・工学学院の邢世其博士は本紙記者に対して、「レーダーは電磁波信号を航空機に向けて発射し、その反射により位置を特定する。航空機が陸地に墜落したならば、イメージングレーダー技術により残骸の位置を特定できる。しかし今回の事故は海上で発生したため、航空機の残骸が水中に呑み込まれた場合、レーダーでの捜索は極めて困難になる」と説明した。

国防科技大学のレーダー研究の専門家は、「海水の導電性は電磁波にとって大きな障害で、海水を貫くことがほぼ不可能になる。またイメージングレーダーは真上から真下を見るのではなく、斜め下を観測するため、海底山脈や海溝がレーダー信号を途絶えさせることがあり、レーダーが迅速に事故の痕跡を捉えられなくなる」と指摘した。

海外メディアの報道によると、ベトナムは交信が途絶えた海域で油と思われるものが約20キロに渡り浮かんでいたと発表した。しかし同海域付近には、陸から離れた石油プラットフォームがある。

MH370便の航空燃料という可能性が絶たれた場合、交信が途絶えた海域での捜索作業は収穫を得られなる。その場合、イメージングレーダー技術が次の突破口になり、広大な海での捜索をより効率的にする。

 

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