自由貿易区の力で上海金融センターの建設を再加速

 

中国(上海)自由貿易試験区内に金の国際取引プラットフォームを建設する案は、6月初旬に技術的問題が解決し、第3四半期(7-9月)の末頃に正式にうち出される見込みだ。また株式指数先物取引市場は5月をめどに準備作業が終わり、年内に設立の見込みだ。同区が追い風となって、上海市における国際金融センターの建設があらためて加速している。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。

3日に行われた上海市国際金融センター建設業務推進チーム業務会議によると、上海の金融市場システムは改善が続けられ、機能も向上し続けている。2014年には、各種の市場主体による世界を視野に入れた同区での市場プラットフォーム建設が実質的な進展を遂げることが期待されるという。

上海先物取引所は同区で国際エネルギー取引センターを設立しており、原油の先物取引市場も年内にうち出される見込みだ。上海金取引所は同区に金の保税・引き渡し倉庫を設立し、金取引の「国際ボード」を設置するとしている。中国証券監督管理委員会(証監会)は、上海証券取引所が同区に国際金融資産取引プラットフォームを設立することに原則として同意。同区にコンソーシアムバンク貸出取引・譲渡プラットフォームを設立するプランも検討が進められている。

上海市金融サービス弁公室の鄭楊主任によると、上海市はさらに税関や税務機関などの関連機関および同区内の非金融決済機関と協力して、国境を越えた総合的な決済のプラットフォームを建設し、同区の国境を越えた電子商取引(eコマース)の急速な発展を促進していくという。

「一行三会」(中国人民銀行(中央銀行)、中国銀行業監督管理委員会(銀監会)、中国証券監督管理委員会(証監会)、中国保険業監督管理委員会(保監会))による同区への金融面での支援に関連した政策の細則や措置が相次いで実施されるのにともない、上海は自由貿易区を橋頭堡とし、国境を越えた人民元建て投資・融資、国境を越えた双方向の人民元の資金プール、投資・融資における両替の利便化などの面で急速に突破口を開き、ここから多くの企業が利益を得てきた。

同区の金融イノベーションと金融の改革開放は、人民元の国際化を力強く推進している。13年に上海の国境を越えた人民元建て決済の総額は9149億元(約15兆2956億円)に達して、前年比86%増加し、国内の順位は2位に躍進した。現在、国境を越えた人民元建て決済ネットワークの構築が緩やかに進められており、上海に人民元クロスボーダー決済システム(CIPS)が構築され、関連の論証作業が進められるとともに、海外の銀行や関連機関が国内に口座を開設し、グローバル決済ネットワークの件数とカバー範囲が一層拡大されることが積極的に推進されている。

上海市委員会の屠光紹常務委員(常務副市長)は、「上海国際金融センターの建設でには『流れを見定める』必要がある。今の最も大きな流れは中国共産党第18期中央委員会第3回全体会議(三中全会)の精神を貫徹し、上海自由貿易区を実験田および橋頭堡とし、改革を深化させ、特に金融分野の改革を深化させ、市場に金融資源の配置を決定させるというものだ」と話す。

 

 「人民網日本語版」2014年4月4日

 

 

 
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