中国自動車業の「規模の困惑」

 

中国自動車の年販売台数はすでに2000万台の大台を突破し、多くの自動車メーカーが新たな生産能力拡大を模索している一方で、多くの主要都市では購入制限や走行制限が行われ、煙霧が都市を覆い、交通渋滞やエネルギー危機など数多くの影が大規模化を目指す自動車業を曇らせている。新華網が伝えた。

中国自動車業には生産能力の過剰が存在するのか。将来の発展ではどのようなリスクに直面し、活路を見出すのか。これらは開催中のボアオアジアフォーラム2014年年次総会の話題の焦点となっている。

北汽集団の徐和誼董事長によると、発展という角度から見ると、中国の自動車の1千人あたり保有台数は先進国の平均基準を大きく下回っている。また中国の自動車業はまだ国際市場に参加しておらず、もし国際市場の観点から見ると、中国の自動車産業は発展を始めたばかりだといえる。

中国自動車工業協会の発表したデータによると、2年にわたり5%以下という低スピードでの成長を経た後、2013年の全国自動車販売台数の成長率は再び2桁成長を回復して13.9%に達し、年間販売台数は2198万台、生産台数は2211万台となった。2009年に自動車の生産・販売台数が世界一となって以来、5年連続でこの地位を保っている。

「中国の自動車産業の年間生産販売台数は少なくとも3000万台か、あるいは3500万台に達して初めてピークとなるだろう」と徐氏は語る。

好況の市場を前に、多くの自動車メーカーは2014年も引き続き明るい展望を抱いている。トヨタや広汽ホンダ、長安マツダなどを含む中国の自動車メーカーはいずれも今年の販売増加スピードの目標を2桁以上に設定しており、トヨタは2014年に中国で110万台を販売、長安マツダは10万台を販売する計画だ。

中国自動車工業協会は、今年の中国自動車販売台数の成長を8%―10%と予測。そのうちSUV、MVPなどの車種は業界全体の成長スピードを上回ると予測している。また、新エネルギー自動車の生産・販売が2014年には一定の成長をみせるとしている。

業界の専門家によると、世界の自動車業は米国と新興国以外、発展の将来性は楽観視できないと語る。疲弊を続ける欧州市場ではフィアットやオペルといった自動車メーカーが引き続き苦しい経営状態に直面しているのに対し、好調な中国の自動車年間販売台数は自動車業に引き続き邁進するための希望を見せている。

 

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