移り気な中国ユーザー

 
4G時代の到来で、インターネットマルチメディア設備の小型化が進み、さらに実用的なエンターテインメント機
能をスマートフォンやタブレットPCにダウンロードすることができ、都会人の欠かせないアイテムとなっている

メッセンジャーソフトの他に、さまざまなSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)も人々がコミュニケーションを行う重要な場となっている。1970、80年代生まれの若者のネット生活は、ほとんどがネットのチャットルームに始まった。好奇心から見知らぬ「部屋」に入ると、それぞれ違う色で表示された十数人ものつぶやきがモニターのスクリーンいっぱいに流れ出す。今から見ると、それはただのグループチャットに過ぎないのだが、当時は全国各地、さらに世界各地の人とチャットできるということ自体が、非常に興奮させられることだった。

その後、BBSコミュニティサイトが誕生した。最も有名なものとして天涯フォーラム、西祠胡同、清華大学の水木清華BBSなどが挙げられる。多くの人は毎晩、それらのサイトで数千字にも上る長い書き込みや、ある話題についての数千字にも上る長い議論を読み、まるで侠客小説でも読んでいるかのような高揚感を得た。しかし、そんな日々は長くなかった。フェイスブックなどのSNSが出現すると、BBSの人気は急低下したからだ。若者は常により流行した、より気楽な内容に引き付けられるものだ。

フェイスブックは中国に進出できなかったため、人人網、開心網などフェイスブックを模倣したものがいち早くこの分野の空白を埋めた。人人網は学校・学年を単位に、ユーザーのグループをつくるサイトで、学生の間で人気が出た。開心網は駐車スペース争い、他のユーザーの畑の野菜を盗むなどのゲームによって、ホワイトカラー層に親しまれていた。バーチャルな世界において、現実のクラスメートの駐車スペースを奪ったり、隣の同僚の畑の野菜を盗んだりするというフィクションと現実との混在感が、これらのシンプルなゲームに特別な魅力を添えた。

開心網の最盛期には、目覚まし時計をかけて、夜中の2時や3時に起きて野菜盗みのゲームをやる人もいれば、出張中に妻に駐車スペースをちゃんと守るように頼む人もいた。その夢中な様子は、彼らが成熟した社会人から一時抜け出して、おもちゃを争う子ども時代に戻ったかと思わせるほどだった。

しかし中国のネットユーザーは、インターネット商品への興味の持続度と忠実度において、従来から欧米諸国のユーザーに比べ大きく劣っていた。そのため、開心網の流行もそれほど長く続かなかった。別の同様なコミュニティサイトも相次いで開かれたかと思うと、あっという間に見捨てられた。現在、最も人気のあるコミュニティサイトは豆瓣と百度貼吧で、前者は文化・芸術好きな若者が好むアート系映画やインディーズ音楽、純文学作品を論議する場で、後者は「ファン文化」を中心とし、芸能人、ファッション、スポーツなど「高尚」とは無関係のすべてについて交流し、新しいネット用語、流行語を作り出す場である。しかしこの人気がいつまで続くか、予測できる者は誰もいない。


人民中国インターネット版 2014年4月17日

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