専門家が読み解く新公表の日本軍中国侵略公文書

 

蘇氏によると「『慰安婦』制度の秘密性に加え、日本の軍と政府が入念に廃棄したため、残っている文献は比較的少ない。このため近年のフィールドワークでは、口述によって他者の口述や文献を裏付ける方法を多く採用している。今回吉林省の公表した「慰安婦」関連文書は25件あり、とても貴重で、「慰安婦」問題研究の史料の空白を埋めるものだ。

このうちのある文書は、日本軍のある部隊が4カ月間に53万2000円を費やして「慰安所」を設立したことを示している。「われわれの知るところでは、このような文書が見つかったのはアジアで初だ。周知のように、日本軍は膨大な性奴隷制度を確立し、巨額の費用を費やした。だが資金に関する資料証拠はずっと見つからなかった。今回の文書は、『慰安所』設立に用いられた公費と軍費がかなり驚くべき額だったことの証明となる」と蘇氏は指摘。

「当時日本軍の少尉の月給は数十円だったので、53万2000円が巨額であることは間違いない。しかも文献には関東軍軍部の了承が明確にあり、日本の国と軍が計画的にこの性奴隷制度を推し進めたことを物語っている。日本は軍の娼婦と『慰安婦』の概念を混淆し続けている。『慰安婦』は日本軍の性奴隷であり、自由がなく、世界の戦争史において唯一のものだ。現在国際学術界が一致して認める見解は、人類の文明史において実施された軍の性奴隷制度で、しかも外国人女性を中心としたものは、日本の『慰安婦』制度が初というものだ。これらの文書はこの見解をさらに証明するものであり、揺るぎない証拠があり、日本はこれを完全に求めるべきだ」と述べた。

「これらの文書は日本の侵略史の研究にとって重要な史料価値があり、侵略の定義をぼかす安倍氏に対する力強い反撃でもある」。蒋氏は「何を侵略と呼ぶのか分からないと言うのなら、安倍氏はこの文書を見てみれば分かる。これを侵略と呼ぶのだ。実は欧米諸国の多くは東アジアの問題をよく理解していない。現在安倍政権は日本を危険な道へと導きつつある。民族保守主義が平和主義に取って代わり、日本社会の思潮の本流となりつつある。前事を忘れず、後事の師とする。われわれはこの問題を指摘し、警戒を高める必要がある」と述べた。

 

 「人民網日本語版」2014年4月28日

 

 

 

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