吉林省公文書館 旧日本軍731部隊の人体実験を示す証拠を公開

 

第二次世界大戦期の大日本帝国陸軍に存在した研究機関731部隊は、国際公約に違反し、細菌兵器の研究、製造を秘密裏に行っていた。同部隊が行っていた生体実験や生体解剖の残虐さは、ドイツで行われたユダヤ人虐殺の象徴アウシュヴィッツ強制収容所を超える。

関連公文書が言及している「特別移送」とは、関東軍の憲兵隊などが、法廷での審理もせずに捕らえた捕虜やスパイ容疑者を731部隊に移送し、人体実験を行ったことを指す。 

吉林檔案(公文書)館には、「特別移送」に関する文書約200点が保管されている。公文書は、約277人に言及し、そのほとんどが中国人だ。今回、同館が公開した公文書4点は、その一部で、延吉憲兵隊や新京憲兵隊、孫呉憲兵隊が、李基洙、李文剛、王国財、姜栄泉などを731部隊に特別移送したことを記録している。

各地の憲兵隊の報告文書の右上には、関東軍の司令部「軍司二課」や「特別移送」などと書かれた印鑑が押されている。関東憲兵隊が出した「特別移送」関連の指令は、全て関東軍第二課に回されていたことからも「特別移送」の実際の組織者や指揮者は関東軍で、実行者が関東憲兵隊だったことが分かる。   

旧日本軍は細菌兵器の研究、製造を終始「極秘」扱いしていたため、同文書は、関東軍憲兵隊と731部隊が共に犯した大罪を証明する、貴重な記録と言える。

731部隊に移送された捕虜などのうち、生還した捕虜がいることを示す証拠はこれまでに見つかっていないため、同館の「特別移送」関連の公文書は、731部が犯した悪行の動かぬ証拠となる。

 

 「人民網日本語版」2014年4月28日

 

 

 
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