新シルクロードの経済的意義、西部大開発を上回る |
西安は2000年前、中国の貿易型経済の中心だった。今、新たなシルクロードはまさにこの古都を横切ろうとしている。それは中国の新経済時代の原材料供給の大動脈となるだろう。これは中国の経済転換の基盤の一つではあるが、最初の提示から半年以上になった今でも具体的な詳細は明らかにされていない。先週中央と地方の経済計画政策担当者らが会議を西安で会議を開き、新たな「西進」への参画に意欲を示したものの、進展についてはほとんど明かされなかった。参加者は「同計画は中国の貿易やインフラ整備のほか、中央アジア、西アジア、欧州との交流を促す」と口をそろえた。香港紙・南華早報が伝えた。 エネルギー不足を補い、国内の石炭と輸入石油への依存を減らしたい中国にとって、エネルギー協力は「シルクロード経済帯」計画の主要部分であり、中国と隣国の外交関係を近づけ、米国の世界的影響力に対抗する戦略の一部でもある。 30年にわたる輸出主導型経済によって中国東部は世界の工場となった。中国はこの20年で2度にわたって政策的に内陸地域の発展を後押しした。 1999年に打ち出した西部大開発戦略には数兆元を投入。同戦略は東部と西部の落差を確実に縮めたが、「西進」効果は多くの評論家を失望させた。西部地域のGDPはなお中国全土のわずか5分の1。経済協力開発機構(OECD)が昨年行った調査によると、西部大開発戦略は地域の不均衡の縮小につながったかもしれないが、中国の不均衡はなお多くのOECD加盟国よりも際立っている。 投資の増加で西部のGDP成長率は昨年10.7%と他の地域(東部9.1%)を上回ったが、「社会的緊張の激化が新たな投資の流入を妨げる。外部需要の転換も西部の新計画のリスクを高める」と評論家は警告する。 西安及び西部の多くの中心都市には既にサムスンやシーメンスなど多くの外資が進出している。ケンタッキーフライドチキン、ウェスティンホテル、MAAN COFFEEなどの国際的なロゴマークが目に付く建物が著名な大雁塔の目と鼻の先にある。大雁塔は唐の時代に玄奘法師がシルクロードを通ってインドから持ち帰った仏教の経典と仏像を奉納するために建立された。その数キロ先で年に一度開かれる展覧会には昔より多くの外国人がパキスタン、イラン、ケニア、ロシアなどから訪れ、カーペットや木製の椅子、宝石などを中国人に売り込む。 国家情報センター世界経済研究室の張茉楠副主任は「西部大開発は今では『西への開放』政策となり、よりグローバルな視点を反映している。『シルクロード経済帯』計画の中国経済帯に対する意義は明らかに古い西部大開発戦略を上回っている。新戦略がどれだけの投資を促すかという予測は難しい。それは中国国内だけに限らず、沿線のすべての国が恩恵を受けるからだ」と指摘する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年6月3日
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