金冠村には1000年に近い歴史があり、現存する建物の多くは清代の風格を残す。村内には玉砂利を敷き詰めた道と石やれんがを積んだ塀、木造の建物が残されている。独特なのは、100年以上のものにしろ1970年代に建てられたものにしろ、木造住宅には必ず石塀が備わっていることだ。ふぞろいな石を積み上げた石塀に手を伸ばせば、まるで歴史に触れているかのようだ。
竹に頼った暮らしでは豊かになれないため、金冠村の働き盛りはみな出稼ぎに行っている。村の人口は1564人だが、常住者は400人余りに過ぎず、そのうち60歳以上が90%を超えている。村を歩けば見かける村人の多くが老人で、まれに臨時に祖父母に預けられた子供が見られるだけだ。
高齢化と過疎化の問題に直面する金冠村では、新たな機会を見出そうと観光開発の歩みを加速させている。村には現在3軒の「農家楽」と呼ばれる農村滞在型観光施設が営業されている。今年63歳になる何加来さんは妻と共に2年前から農家楽の営業を始めた。4月から5月、9月から10月が1年で最も忙しい時期だという。条件が限られているため食事だけの営業で、宿泊は提供していない。平日の観光客は多くないが、夫婦は家で客を待ち、いったん客があれば、カボチャの種と熱いお茶で温かくもてなす。
高齢化が進み、村はますますさびれているように見える。しかし、村外で長く商売をし、人脈を蓄積してきた朱書記に言わせれば、村の先行きは依然として素晴らしいものだ。彼は「私たちはここにある美しい山河を利用し、外部資本を観光に引きつけたいと思っています」と話す。朱舜水の祖先が生活した古い村落を訪れる観光客は増えており、週末や休日には村は大いににぎわっている。村の老人たちのひっそりとした生活も、大きく変化するのかもしれない。 |