河姆渡(かぼと)遺跡から東北方向へ7キロほどの場所に、河姆渡文化を代表するもう一つの遺跡がある。それが田螺山(でんらさん)遺跡だ。2001年に井戸を掘削していて発見されたもので、これまでに発見された河姆渡文化関連の遺跡の中で、地上環境が最も完全に保存されているもので、地下遺物も比較的整った状態にある。
7000年前の田螺山村落は山のふもとにあって豊富な水資源に恵まれ、村民たちは山で狩猟をし、湖で漁をした。村落は海にも近く、出土した鯨の肋骨、マグロの椎骨、サメの歯からも、当時近くに大きな水域があったことが証明されている。湖によって田螺山村落と河姆渡村落はつながり、村民たちは丸木舟で往来していたと考えられ、発掘された文化財も同じ時代に属している。
田螺山遺跡の総面積は3万平方メートル以上で、発掘済みの面積は約1800平方メートルとなっている。発掘現場は田螺山遺跡現場館の中にあって現在も作業が続けられているため、観光客は原始時代の人々の生産・生活遺跡を直接見られる。幅5メートル長さ10メートルごとに仕切られた発掘現場が見られるだけでなく、現場の周りには石が積み上げられ、石が入ったかごも置かれているのも見られる。これらは発掘作業員が分類して整理したもので、貴重な動植物の遺物がないかなど調査を待っている状態だ。 |