余姚は古くからの茶どころで、唐代(618~907年)の陸羽(733~804年)が著した茶に関する最古の典籍『茶経』に、余姚のお茶は新芽を使い質が優れ「仙茗」と呼ばれると書かれている。その余姚の茶を代表するのが「瀑布茶」で、余姚梁弄鎮の白水沖滝の近くで産することから名付けられた。「瀑布仙茗」とも呼ばれる。
「瀑布茶」は緑茶の一種で、爽やかな香りとほのかな甘みがあり、目によく体と心の疲れを癒す効果があるとされる。産地が近い杭州の龍井(ロンジン)茶のような知名度や高級感はないが、瀑布茶は地元でたいへん人気があり、値段も手頃で手に入りやすい。
毎年3月中旬から4月中下旬までと、9月初めから10月上旬までが瀑布茶の収穫期にあたる。摘みたての茶葉は松葉のような形状をしている。製茶の過程で小さな茶葉はその形状を保つが、大き目の葉は丸まっていく。清明節前に摘み取ったお茶は「明前茶」と呼ばれ、虫害を受けることが少なく、新芽はみずみずしく、形が整っていてコクがあることから、上等のものになるとキロ当たり2000元(約3万円)以上もする。 |