法治経済の新時代を開く四中全会

 

法による国家統治が打ち出され、中国の社会生態は新たな秩序を迎え、下方圧力とモデル転換の難題に直面する中国経済も新たな法治時代を迎える。法による国家統治の「アップグレード版」と称される「法による国家統治の全面的推進における若干の重大な問題に関する中共中央の決定」(以下「決定」)が10月28日に公表された。

「決定」は「社会主義市場経済は本質的に法治経済だ。市場に資源配分における決定的役割を発揮させるとともに、政府の役割をより良く発揮するには、財産権の保護、契約遵守、統一された市場、平等な交換、公正な競争、効果的な規制・監督を基本的指向とし、社会主義市場経済法律制度を整備しなければならない。公正を核心的原則とする財産権保護制度を整え、各種所有制の経済組織と自然人の財産権に対する保護を強化し、公正に反する法規の条項を見直す。公有制に適応した様々な実現形式の財産権保護制度を革新し、国有資産、集団資産の所有権、経営権と各類企業法人の財産権の保護を強化する」とした。

国家発展・戦略研究院の劉元春院長は、四中全会の法治経済の概念には重大な意義があるとして、次の点を指摘した。

(1)根本的に中国の経済ガバナンス構造の近代化の幕を開け、堅固な法的基礎を固めた。市場の基本的信頼は高まるだろう。

(2)「公正を核心的原則とする財産権保護制度を整え、各種所有制の経済組織と自然人の財産権に対する保護を強化」するとして、政府の行為を定義し、経済主体ガバナンス構造を規範化し、市場秩序を整理し明らかにすることによって、市場が資源配分において基礎的役割を発揮することをさらに強く保障し、統一された、開放的で、競争の行われる、秩序ある近代化市場システムを整えるための法的基礎・保障を提供した。

西南証券研究発展センター業務ディレクターの許維鴻氏は「経済分野では、四中全会の決定はとりわけ混合所有制の成功のために法的保障を提供した。第18期三中全会以来、混合所有制経済が改革の重点となった。財産権は所有制度の核心であり、混合所有制を広める過程においては、財産権が明確で、権限と責任が明確で、保護が厳格で、流通がスムーズな現代財産権制度をいかに確立するかが混合所有制改革の根本的難点だ。だが現有の法体系ではまだ各種所有制経済に同等な権利を完全に保障することも、各種所有制が法にのっとって生産要素を平等に使用し、市場競争に公開・公平・公正に参加することを完全に保障することもできず、混合所有制経済を発展させるには法律環境の整備が急がれる」と指摘した。

許氏は「法による国家統治のより重要な意義は、混合所有制改革への民間資本の参加に法治の保障を与えることにあり、民間資本を安心させるものだ。民間資本は、もし紛糾発生時に公平な法的保障を得られなければ、利益が保護されない恐れがあり、改革への参加を望まなくなる」と強調した。

法治は全ての社会秩序の基礎であり、憲法は全ての法律の基礎だ。劉氏は「法治経済は第16回党大会の際にも発展目標として打ち出されたが、経済改革は法治を拠り所として推進しなければならないと定義したのは初めてだ。今回の会議が憲法の実施を強化するとしたことは、法による国家統治という国の揺るがない決意を物語っており、今回の会議の新たな目玉でもある。過去にも法律の保障的役割を強調したが、市場はやはり利益最大化を根本的出発点としており、任意性が強かった。四中全会の法による国家統治という理念は、市場交換の主体、秩序、規則、規範を全面的に整理し、市場空間と改革による利益をさらに解き放ち、市場と政府との関係を明確にした。同時に、立法、法執行、司法従事者の整備を強化し、法治政府の構築を着実に推進するとしており、内容がより豊富で、筋道もより明晰になった」と指摘した。(編集NA)

 

「人民網日本語版」2014年10月31日

 

 
人民中国インタ-ネット版に掲載された記事・写真の無断転載を禁じます。
本社:中国北京西城区百万荘大街24号  TEL: (010) 8837-3057(日本語) 6831-3990(中国語) FAX: (010)6831-3850