オックスファム・呂美「リマは圧力が大きい」

 

「今年の交渉は大きな圧力に直面しています。リマ会議で来年の新たな合意の草案を作成する必要があるからです」と、オックスファム気候変動・貧困問題対策プロジェクト・スタッフである呂美さんは取材に対してこう述べた。

呂さんによると、オックスファムは気候変動による貧困人口への影響を強調し、貧困人口の気候変動対策への援助に取り組んでいるという。オブザーバーとして国連気候変動枠組条約締約国会議に参加するのは今回が4回目。ダーバン会議で各方面の利益をめぐるシーソーゲームを経験し、ドーハ会議の行き詰まりを見せた交渉を目撃した呂さんは「パリまでの最後の一駅」とされるリマ会議について、各方面が誠意をもって来年の新たな合意のために基礎を突き固めるよう希望している。

これまでの会議より、今回の会議は焦点がより統一されており、つまり2015年の新たなパリ合意に焦点が絞られていると呂さんは考える。

強化されたダーバン・プラットフォームにおける議論に対する観察に基づき、先進国と途上国は新たな合意と資金との関係について意見の相違があると呂さんは判断している。米国は資金提供の約束を第2段階の温暖化抑制目標と関連付けるべきではないと主張し、スイスはさらに2020年以降の資金提供の約束に言及した段落を削除すべきだと要求した。この両国の姿勢は発展途上国の間で大きな波紋を投げかけ、2015年末にパリで調印する予定の新たな気候変動に関する合意の達成にはまだ障害が残っている、と注意を喚起している。

新たな合意の法的拘束力についても、各方面はそれぞれ違う考えを持っている。EUはリマ会議を通じて来年末までに「新たな法的拘束力のある世界的気候変動に関する協定」に向けて準備を整えることを期待しているが、国内の政治事情を踏まえて米国が的拘束力のある合意を求めることは難しいようだ。(文=何珊)

 

人民中国インターネット版 2014年12月10日

 

 
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