中日関係の行方
李月(長安大学)
中国の『論語』に「君子は和して同ぜず」という言葉がある。私はこの言葉は「中日関係の行方」に対して最高の答えだと思っている。
現在でも未来でも、平和は世界の永遠なテーマだ。そして、今でも中日の民衆のなかで、戦争に関する不安は消えていない。だから、両国民衆に安心感をつくりだすのが非常に重要だと思う。
2000年前から、中日の交流が始まった。この中で、やはり戦争は中日関係の分岐点だ。戦争の影響は経済の後退だけではなく、両国相互の信頼も深く傷つけた。祖父は中日の戦争についてのことを話すとき、日本に対する嫌な気持ちを述べる。私の周囲には祖父のようなお年寄りがたくさんいて、彼らの日本に対する態度は、大体、祖父と同じである。この戦争で中国の大部分のお年寄りたちはひどく心を痛めている。このような気持ちは何世代にも影響する。だから、私たちの二十代の若者でもこの影響を受けている。
戦争が終わってもう69年が過ぎ、中日の交流も次第に多くなった。しかし、両国の政治は複雑な関係を保持している。
去年、第九回「日中共同世論調査」の結果は中日両国国民の相互好感度は今までのなかで一番低い。92.8%の中国人は日本に対して悪い印象が持っている。2012年(64.5%)よりやく28パーセント増えている。一方、90.1%の日本人は中国に対する悪い印象を持っている。2012年は(84.3%)である。その理由の主なものは概ね領土紛争と戦争についての歴史問題である。
数年前から日本と中国の政治についての問題が次第に積み重って、両国の国民は互いの好感度が低い。調査を受けた人で中日関係が改善に向かうとみる人は両国とも10%程度で、大部分は未来に対して悲観的な考えを持っている。
しかし、私は日本と中国の未来を明るくすることができると思う。領土と侵略戦争に関する歴史問題は本当に厳しいが、歴史を直視して、新しい協力を追求することが今の大事な問題だと思う。「君子は和して同ぜず」、両国は昔からの衝突と積み重さなった誤解とが早急に根底から解決できないかもしれないけれど、経済の共同発展ができ、東アジアの交流と発展を求めるには、両国の共同努力が必要だ。
今の世界に戦争は必要ない。したがって、両国の政府の会談が必要で、両国国民の本当の利益を考えて、お互いに有利な計画を提出することが重要である。それに、民間交流も本当に重要だと思う。いつでも国民は国の基礎である。だから、国民の相互理解は大事なことで、両国の明らかな未来を求めるために民間の交流を支えることが必要だと思う。両国の文化は、同じ流れを受け継いでいるので、相互理解や相互学習も容易だ。これを通じて、まず、両国の民衆の好感度を強めることが必要だ。
もちろん両国政府の態度は最大の要点だ。侵略戦争に対する歴史を日本政府が直視するかどうかという問題は非常に重要な問題だと思う。戦争が両国国民に深い傷をもたらしているからだ。それに近年の領土についての紛争はこの傷を強めている。中国の民衆も日本の民衆も戦争に対しては不安な気持ちを持っている。だから、両国民衆の安心感をつくりだすことが必要だと考える。
両国未来の発展の道は同じではなくても、未来の衝突は減らさなければならない。私たちは「同」を追求しなくても、経済と東アジアの平和についての「和」を求めることができると思う。この時代の流れは平和と発展だ。だから、中日両国のゆくえ、つまり現在も未来もこの流れを従わなければならないと思う。
人民中国インターネット版 2014年12月
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