腐敗を病巣からえぐり取る |
中紀委の王書記は以前、官僚に「汚職を恐れさせる」「汚職できないようにする」「汚職する気を起こさせない」ことが必要だと語った。18大以降の強力な反腐敗行動を通じ、「汚職を恐れさせる」効果は現れ始めた。しかし、「汚職できないようにする」「汚職する気を起こさせない」という目標の達成には、まだ腐敗を病巣からえぐり取る必要がある。 中国共産党は昨年6月から、行政気風の一新を通じて腐敗の病巣を根治することを目的に、「大衆路線教育実践活動」を党内で始めた。手続きばかり求めて実際の効果を重視しない「形式主義」、効率が低く責任を負わない「官僚主義」、安楽をむさぼる「享楽主義」、派手に無駄遣いする「ぜいたくの風潮」など、民衆が最も不満を募らせていた問題について、今回の活動は重点を置いて徹底的に調査、是正した。 中央から地方までの党・政府機関は1年余りの活動を通じ、基準額を超えた高価な公用車約11万4000台余を売却するなどし、事務庁舎2227万6000平方㍍を削減し、基準に違反した建築物2580棟の工事を停止した。公費による海外出張と公用車購入、公務接待の経費は活動実施前に比べて27・5%下がり、530億2000万元(約1兆60億円)の支出削減につながった。また企業での公職者の兼職を禁じた『公務員法』の規定に基づき、党・政府の幹部8万4000人の兼職を洗い出した。 人々を満足させるこうした成果は現実社会に反映され、行政と社会の気風の刷新として表れている。かつて一般人と無縁だった高級レストランは大衆向けの料理を提供し始め、不当に高額だった有名ブランドの酒・タバコなどは次々と正常な範囲まで値下げされた。政府機関のサービス意識は高まり、公費による飲食は著しく減少した。1年余りの行政気風の刷新を経て、幹部たちはかつて染まっていた悪い習慣に対する警戒心を強め、民衆の反感を買うハエのような煩わしい小さな汚職現象は消えた。 18大から巻き起こった反腐敗の嵐と綱紀粛正活動は、汚職と腐敗のスモッグを吹き飛ばし、清らかな政治環境を迎え入れた。しかし、嵐が過ぎ去った後、汚職のスモッグが再び現れるのではないかという懸念の声もある。これに対し、習近平総書記は10月8日、大衆路線教育実践活動総括大会で、活動の終了は決して行政気風改善の終了ではなく、必ず引き続き徹底させ、現在の勢いを維持し、しっかり根付かせなければならないと指摘した。 腐敗の徹底防止と優良な気風の維持に向け、中国は鍵となるステップ、すなわち法律と制度の活用に踏み出した。
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