10のキーワードで振り返る2014年の中国外交

 

 

【キーワード6】「応約会見」(要請に応じて会見)

11月10日昼頃、人民大会堂の福建ホールを出た習近平主席は、待っていた日本の安倍晋三首相と会い、青色の布を背景に握手し、写真を撮った。

「要請に応じて会見」したこの20分余りで、習主席は、「歴史問題は13億人余りの中国人の感情にかかわる」「日本は、中日双方の政治文書や『村山談話』などの歴代政府の約束を守って初めて、アジアの隣国と未来志向の友好関係を築くことができる」と指摘した。安倍首相は、中国の平和的発展は日本と世界にとって重要なチャンスだ、日本は平和的発展の道を引き続き歩んでいくことを決意している、自らの政府も歴史問題についての歴代政府の見解を守っていくと語った。

会談は、中日関係の処理と改善について4つの原則的共通認識が達成された後に行われた。中日両国の指導者による会談は2年半ぶりで、両国関係の改善に向けた重要な一歩となり、中日関係に対する国際社会の幅広い期待に応えるものとなった。だがこれからの中日関係が健全な発展を回復できるかは、日本側が約束を守り、4つの原則的共通認識に応じて関連問題を適切に処理できるかにかかっている。日本に対しては、その言葉を聞くだけでなく、行動を見守る必要がある。

【キーワード7】「自貿談判」(FTA交渉)

中国は11月、経済規模14位の韓国と12位のオーストラリアとそれぞれ、二国間の自由貿易協定(FTA)交渉を実質的に妥結したと発表した。中国が締結したFTAは20カ国・地域にかかわる12本、交渉中のFTAは21カ国・地域にかかわる6本となる。

二国間のFTA交渉を加速し、多国間の貿易協定を推進し、分散的でなく統一的な自由貿易全体の枠組みを提唱するなど、中国は今年、貿易開放の分野に力を入れてきた。貿易大国から貿易強国への転換の中で、中国は、国際と国内の2種類のルールを積極的に運用し、国際ルールの制定に参加し、「傍観者・追随者」から「参加者・統率者」への役割の転換の実現に努めている。

【キーワード8】「跨国反腐」(国境を越えた腐敗撲滅)

腐敗の逃亡犯や移設資産を追及する特別行動から、犯罪人引き渡しと刑事司法共助に関する条約10本の交渉妥結、中国共産党第18期全国委員会第4回全体会議での「腐敗撲滅のための国際協力の強化」の要求、中国が中心となって起草した「北京反腐敗宣言」のAPEC第26回閣僚級会議での採択、「2015-2016年G20腐敗撲滅行動計画」の審査・採択の推進まで、中国の腐敗対策は今年、国境をまたぐ大きな動きを見せた。腐敗資産や逃亡犯の海外での追求行動がこれまでにない強度で世界中で展開された。

国際的な腐敗撲滅の協力ネットワークの構築によって腐敗資産や逃亡犯の海外追求の効率を高めることは、経済犯罪分子や腐敗分子を追い詰めるだけでなく、こうした分子を牽制する手段ともなる。国際協力を通じて世界との協同を進め、腐敗取り締まりの警戒網を形成することは、中国の腐敗撲滅行動の「ニューノーマル」となりつつある。

【キーワード9】「千裏馳援」(千里を越えて支援)

12月に入って、中国と関連する2本の国際ニュースが注目を集めた。5日夜には、中国が単独で運営管理する中国リベリア援助エボラ診療センターが、エボラウイルス感染が疑われる患者の治療受け入れを開始した。また4日にモルディブの首都マレで起こった海水淡水化処理工場の火災発生で水不足が起こると、中国はただちに民間旅客機と軍用輸送機で飲用水をマレに運び、海水淡水化設備を設けた海軍の長興島船を派遣して緊急の水供給を展開した。

緊急事態に対してすぐさま着手された中国の救援活動は、国際社会の幅広い評価を得た。国際舞台で責任を積極的に引き受ける中国の姿が直接的に表れたできごととなった。道徳と利益に対する正しい見方を堅持し、その両方に配慮し、道徳を広めて利益を調整し、「親・誠・恵・容」(友好・誠実・互恵・寛容)の周辺外交理念と「真・実・親・誠」(真の友・実践・友好・誠実)のアフリカに対する活動方針を実践するなど、中国は、発展途上国にとっての信頼できる友人であり、良きパートナーであることを実際の行動を通じて示している。

【キーワード10】「文明互鑑」(文明の相互学習)

国連教育科学文化機関(UNESCO)本部での講演発表から、欧州連合(EU)との「平和、成長、改革、文明」の4つのパートナーシップの確定、孔子生誕2565周年記念国際学術シンポジウムでの長編講話の発表、海外の中国文化センターである孔子学院の発展支援まで、習近平主席の今年の外交事務では、異なる文明の相互の尊重や調和的な共存、交流と相互学習の推進が重視された。

文明は交流によって多彩となり、互いに学ぶことによって豊かになる。文明の交流や相互学習は、各国の人民の友情を深める架け橋となり、人類社会の進歩を後押しする動力となり、世界の和平を守る紐帯となる。

「和して同せず」。「物の斉(ひと)しからざるは物の情なり」。中国の指導者が多くの国際的な場面を利用して文明の相互学習を提唱していることは、中華文明の自信の高さを示すとともに、他国の文明に対する尊重に支えられている。異なる国家や文明といかに付き合うかという大命題に対して、中国の知恵と中国の解決策を提出することは、中国という悠久の歴史を持つ東洋文明の大国の気風を示すと同時に、世界の前途と人類の運命に注目する中国の指導者の人間本位の態度を示している。

 

「チャイナネット」2014年12月23日

 

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