子どもは2人いた方が幸福 | ||
煙台市母子保健院のある病室で、出産を終えた初さんがベッドで横になり休息を取っている。そして、7、8歳の女の子が小さなベッドに眠っている赤ちゃんを満面の笑顔でのぞき込んでいる。心温まり、幸福に満ちた光景と言えよう。初さんは2人の子どもの母親で、長女は今年8歳になり、すでに小学校に通っている。そして今、もう1人の女の赤ちゃんを家族として迎えた。初さんは「単独」家庭だったため、昨年、「単独2子」政策が始まってから、2人目が授かることをずっと望んでいた。 「長女はもう大きくなりました。もう1人産んで、彼女に兄弟を作ってあげたいと思ったんです。子どもが2人いるということは、やはり良いことだと思います」と初さんは言う。 2013年11月15日、中国共産党第18期中央委員会第3回全体会議(3中全会)で「夫婦のいずれか一方が一人っ子であれば2人目の出産を許可する政策の実施」が確定した。この時を境に、30年以上にわたって厳格に実施されてきた計画生育政策は一つの「歴史的なシフト」を迎えた。続いて実施された新組織改革では、国家計画生育委員会(以下、国家計生委と略す)を解散し、新たに国家衛生部(部は日本の省に相当)に組み入れ、国家衛生・計画生育委員会(以下、国家衛計委)とした。 以上の措置は、厳しく実施されてきた計画生育政策が、「2人目出産緩和」へ向かうことを意味している。これは中国の人口、計画生育政策を経済・社会発展の状況に適応させるための重要な調整だと指摘する分析家もいる。 現在、「単独2子」政策が実施されてからすでに1年余りが過ぎている。全国各地でも新しい政策に則り、2人目を出産する家庭が徐々に増えてきている。全国でこの政策の適用条件にあてはまる夫婦は約1100万世帯という政府による推測があった。そして、政策の調整後、毎年約200万人がさらに生まれる予測となっている。しかし、新政策を打ち出す前の慎重さに対し、2人目出産に対する国民の反応は、予想したような「歓迎」ムードとはならなかった。統計によると、昨年8月、政策条件にあてはまる1100万世帯の夫婦のうち、2人目出産の申請をしたのはわずか70万世帯しかいなかった。今のところ、認められたのはわずか62万世帯のみにとどまっており、政府の予測には遠く及ばない。 国家衛計委総合監督局監察スタッフの趙延配氏は以下のように指摘する。政策は滞る傾向があり、早くても2、3年過ぎた時点で出産水準に大きな変化が現れたか否かを総括的に判断することができる。一方、「単独」の夫婦は多くが都市部に集中しており、彼らの養育概念にとても大きな変化が生じている。特に政策が承認されてからは、多くの若い夫婦が出産と養育の費用問題、または、仕事とその他の事業発展を考え、2人目出産を急ぐ必要はないと判断しているのだ。(文=張春侠)
人民中国インターネット版 2015年1月
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